無病息災願い、獅子ガブリ 人吉市の青井阿蘇神社で「おくんち祭」

獅子にかまれ、泣きだす子ども=人吉市

 人吉市の国宝・青井阿蘇神社の例大祭「おくんち祭」は9日、ハイライトの神幸行列があった。澄み切った秋空の下、みこしや獅子舞など約2千人が市街地を練り歩き、大勢の人出でにぎわった。

 拝殿前でお旅所への道中の安全を祈る「発輦祭[はつれんさい]」が行われ、みこし2基が楼門をくぐって出発。8頭の獅子も勢いよく飛び出し、神職を乗せた神馬[しんめ]や鼓笛隊、稚児が続き、人吉城跡を目指した。この日は市内の小中学校全9校が休みになり、多くの子どもたちが行列に加わった。

 沿道の見物客の中には無病息災を願い、小さな子どもを獅子に差し出す家族連れの姿も。1歳の長男晴仁ちゃんを抱いていた佐藤亮平さん(32)=同市東間上町=は「たくさん泣いてくれた。健康で元気に育ってほしい」と笑顔で話した。祭りは11日まで。(小山智史)

熊本日日新聞 2019年10月10日掲載

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