中川大志が語る「G線上のあなたと私」の絶妙な空気感。「音楽もドラマも同じ、心が通じ合えば一つになれる」

中川大志が語る「G線上のあなたと私」の絶妙な空気感。「音楽もドラマも同じ、心が通じ合えば一つになれる」

寿退社間近に婚約を破棄され、仕事も結婚も失った小暮也映子(波瑠)が通い始めた“大人のバイオリン教室”。そこで出会った教室仲間である、不器用なイケメン大学生・加瀬理人(中川大志)と、小学生の娘を持つ主婦・北河幸恵(松下由樹)もまたそれぞれにややこしい事情を抱えており……。

恋愛漫画の名手・いくえみ綾の原作をドラマ化する「G線上のあなたと私」。初めてのバイオリンに奮闘する3人の姿を通じ、恋に友情に悩める大人にエールを送る本作で、中川が演じる理人は、兄の元婚約者である教室の講師・久住眞於(桜井ユキ)に片思いする大学生だ。

「理人は自分の弱さやもろさを他人に見せられない、不器用なタイプ。ちょっと母性本能をくすぐるようなかわいさがあります。でもその一方で、人の心をグサッと突くようなところもある。例えば、結婚が破談になり傷ついている也映子さんを、“本当に相手を愛していたんですか?”と問い詰めたり。もちろんそこには理人自身の好きな人への思いも投影されているわけで、人間臭いところでもあるんですが」

見どころは年齢も立場もバラバラの3人の関係だ。結婚適齢期に揺れる主人公・也映子と嫁姑問題に悩む主婦の幸恵という、気のいい年上女性2人を相手に、言葉少ない理人がぶっきらぼうに絡み、生まれる絶妙な空気感が笑いを誘う。

「台本を読むと思いのほかコメディーなんですが、特に理人は間とか空気で笑わせる、すごくセンスが問われる役なんですよね(笑)。先輩女優さんに頼りたいところですが、僕は人見知りで、初めてお会いした時はほとんど何もお話しできず……。でも教室で初めて会う設定だし、このまま現場に入り、だんだんとなじんでいけばいいかなと。バンドやオーケストラもそうだと思いますが、気持ちが通じれば息は合ってくる。ドラマ自体もそんな感じで気持ちも音楽もギュッと一つになっていくといいなと思います」

ドラマの中では実際にバイオリンを演奏するシーンも多い。撮影を前に仕事の合間にもバイオリンの練習に励んでいるという。

「以前にもドラマで少し練習したことはありますが、演奏の場面ががっつりあるのは初めて。すごく難しいです。最初の頃は音すら出ない。でも、ダメだ~!となりながらも練習を繰り返すうちに、突然、スッとできるようになる瞬間があるんです。それを積み重ねて上達していく、その過程が嬉しくて。練習するのが楽しいです」

婚約を破棄されたアラサー女子と兄の元カノに片思い中のこじらせ大学生、姑との同居に悩む子持ちの専業主婦――音楽を通じて互いに心を開いていく3人の人間関係も、そんな積み重ねによって築かれていくのかもしれない。

「年齢や性別、抱える悩みは違っても、共通する思い、喜びとか痛みってあると思うんです。それを見つける過程で、小さな勇気や前向きなメッセージが伝わるといいなと。異色の3人組だからこそ、さまざまな世代の人に響くドラマになるんじゃないかなと思います」

【プロフィール】


中川大志(なかがわ たいし)
1998年6月14日東京都出身。2009年に芸能活動を開始、11年「家政婦のミタ」(日本テレビ系)で注目を集める。以降ドラマでは大河ドラマ「真田丸」(16年/NHK)、「花のち晴れ~花男 Next Season~」(18年/TBS系)、連続テレビ小説「なつぞら」(19年/NHK)、映画では「きょうのキラ君」「ReLIFE リライフ」(ともに17年)、「坂道のアポロン」「虹色デイズ」(18年)など、数多くの話題作に出演。

【番組情報】


「G線上のあなたと私」
10月15日スタート
TBS系
火曜 午後10:00~10:57

取材・文/渥美志保 撮影/堀内亮
スタイリング/西原有美 ヘア&メーク/齋藤恵理子
衣装協力/RUSSELL ATHLETIC、CRAFT STANDARD BOUTIQUE

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