早川岳晴「四色の蛇」- ベース演奏のみ(他の楽器一切なし)の地底作品!

忌野清志郎、麗蘭、CHABOバンドなどのロックバンドから梅津和時KIKI Band、片山広明バンドなどジャズバンドまでジャンルを越えた活動で知られるベーシスト早川岳晴のソロアルバムが地底レコードより届いた。まず驚くのが、この1枚が全編にわたって完全ベースソロアルバム、つまりベースのみの演奏で、他の楽器は一切なしという内容なこと。さすが「地下深くへと探求を続け、 一生日の目を見ないと言われるレーベル」である地底レコードだからこそのリリースとも言えるが、収録された9曲の作品を順番に聴いていくと、ベースの太い低音だけが鳴り響く演奏に身を委ねる自分がいた。低音というのはどこか心を落ち着かせる効果があるのだろうか。チェロのように弓を使った「あの日」は、まるでバッハの無伴奏チェロ組曲のような心地よさだ。2曲だけ本人の歌が入った曲もあり、これもまた味わい深い。まさしく地底からの音を聞かせるアルバムだ。(加藤梅造)

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