チバユウスケ、TK(凛として時雨)、近田春夫ら、業界騒然のモンスター級傑作に熱いコメント到着! 11/2公開『象は静かに座っている

ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞、スペシャル・メンションをW受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞、29歳の俊傑 フー・ボー監督作のデビュー作で遺作となった『象は静かに座っている』が11月2日㈯よりシアター・イメージフォーラム他にて公開となる。

すでに音楽家の坂本龍一、フー・ボーの師でハンガリーの巨匠監督タル・ベーラ、フィルメックスディレクター市山尚三から熱いコメントが届いている中、さらにこの作品を愛して止まない世界中の応援団から熱いコメントが寄せられている。

コメント

とても美しい映画だった。映像の色味、時間の流れ方。とても美しい。

そして激しい

――チバユウスケ (The Birthday)

被写界深度は浅く、根は深い。

バラバラになった枝が物語の中で灰色の地面に吸い寄せられていく。

気付けば僕はフーボー監督が見せたい世界の中にいるのか、

彼の視力の一部となっているのか、そんな画角が全編を漂う。

タバコの煙が妙に白く見えるほどの密度の濃い灰色が続234分を僕はどう消化すれば良いかがまだ分からない。

物語は1つの幹になり、また地面の中で散りばめられた様に深く。

公開前に命を絶った彼が遺した空白と余韻はあまりにも大きい。

時として死は芸術の形を変えてしまう。

それすらも作品の一部であるかの様に、僕のところへもやってきた。

本当のエンドロールは僕らの届かない場所にある気がした。

――TK (凛として時雨)

ジャンルを問わず、私は表現全般に求める第一のこととは、強さと新しさだと思っている。

そうした意味でこの作品に出会えたのは幸せだった。

――近田春夫(音楽家)

『象は静かに座っている』は、最後まで的から外れた矢を追いかける。

忘れられないエンディング、そして決して終わることのない映画だ。

――イ・チャンドン(『バーニング 劇場版』)

私たちは身を燃やし、映画に全身全霊を注いでいる。それは世界を明るくするためではないかもしれないが、観客と心を、魂を、分かち合うのだ。この映画は、どう作り手が人生を映画に捧げるかの良い例だ。非常に感動した。

――アン・リー(『ブロークバック・マウンテン』)

全編を通して驚くべき緊張感を生み出している。

助け合いや思いやりによって欲深さや利己心に抗おうとする

現代の私たちの人間関係についての美しい映画だ。

――ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(『午後8時の訪問者』)

正直に言って、私は感動し、恐れを抱いた。これは本物だ。

彼は我々が若かった頃よりもより素晴らしい作品を作った。

――ホウ・シャオシェン(『悲情城市』)

類まれな映画だ!

――ガス・ヴァン・サント(『エレファント』)

暗い空を駆け抜け、熱と痛みの中に落下していく彗星のようだ。この映画は、新たな中央集権化制度への変化の中で苦しむ数多くの中国人たちの内なる不安と、人々がお互いを裏切り傷つけ合う現実を映している。たとえ夜が来ようとも、人々は互いを抱きしめ、愛で不安や恐怖に対抗しなくてはならない。

――ワン・ビン(『三姉妹 雲南の子』)

おめでとう。素晴らしい映画だ。

――ショーン・ベイカー(『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』)

象を求めて彷徨う四人をカメラは追いかける。

そのときフー・ボーの眼差しは、

彼らよりも先に、崇高な何かに、

触れれば心が崩壊しかねない〈美〉に到達する。

フー・ボーの悲劇と栄光はそこある。

――小野正嗣(作家)

才華溢れる作家を見つけた。

彼の作品は素晴らしく、現在の我々のような作家よりも優れている。

――余華(作家)※フー・ボー監督著の原作同名短篇小説へ送られたコメント

3時間54分の「音」を聴き続けて欲しい。

どこへも行けない人間は、自分にだけ聴こえる地獄に包囲されている。

フー・ボーは永遠の3時間54分を削らせないために命を絶ったが、

鳴り響く天国の音とともに立ち上がり、歩き出す象となった。

――田中泰延(青年失業家/ライター)

何かしなければ堕ちるばかりだし、何かすれば悪い方に転げ堕ちる。

今より悪くならない場所にただ座っていることさえ、難しい。

そんな彼らの一日に234分立ち会って、まだもうすこしここに留まらせてと思うのは、どうしたことだ。すごい映画だ。

このろくでもない世界に愛着をおぼえさせて、監督だけが去ってしまった。

――町山広美(放送作家)

若者も老人も生きにくい、現代の閉塞感を、ゆったりとした、それで親密な時間の流れの中で描ききる傑作。4時間弱という尺があっという間に過ぎるほど、この新人監督の世界にハマってしまった。

――立田敦子(映画ジャーナリスト)

息苦しい日常に耐え忍びながら人生に期待するのは愚かなことなのか?

フー・ボー監督が魂を紡いで世界に問いかけた唯一無二な傑作です。

――コトブキツカサ(映画パーソナリティ)

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