【医師監修】胎児の成長が気になる!小さめと言われたら? 妊娠月数別赤ちゃんの成長

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この記事の監修ドクター
浅野仁覚先生
アルテミスウィメンズホスピタル(東京都東久留米市)院長。福島県立医科大学、同大学院卒業後、社会保険二本松病院、南相馬市立総合病院産婦人科医長、福島県立医科大学附属病院総合周産期センター(母体・胎児部門)助教、東府中病院副院長を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、医学博士、J-MELSベーシックコースインストラクター

妊娠成立!お腹の赤ちゃん、いつからが「胎児」?

卵子と精子が受精し、その受精卵が着床したときに妊娠が成立します。

細胞分裂を繰り返す「胚」の時期から、それぞれの器官の元を形成していく「胎芽」の時期を経て、器官がさらにしっかり形成され、ヒトの特徴を備えてきた「胎児」となります。

なお、胎芽から胎児と呼び方を変える時期としては諸説あり、妊娠7週まで/8週以降で区分する場合や、妊娠9週まで/10週以降で区分する場合があります[*1]。

月数別 胎児の成長と様子

妊娠4~7週(第2月)は器官形成期。心拍確認も

妊娠週数は、受精前となる最終月経(生理)開始日を起点に数えます。通常、最終生理開始日からおよそ2週間で排卵が起こるため、実際にはその2週間は妊娠していないことになります。

受精を基準に考えると、受精卵の着床が始まるのが受精後6~7日頃で、受精後12日頃に着床は完了します。これは妊娠週数で2~3週にあたります。

着床が完了してからの約1ヶ月間(妊娠4~7週ごろ)は「器官形成期」といって、人間のさまざまな器官の基をつくっていく時期です。この時期は「絶対過敏期」とも言われ、お母さんが服用した薬の種類によっては赤ちゃんに影響を及ぼすリスクがあるので、注意が必要です。

また、正常妊娠の場合、赤ちゃんの心拍(胎児心拍動)は多くが妊娠6~7週で確認されます(経腟超音波で見た場合)。

妊娠8~11週(第3月)、胎芽から胎児へ

このころの赤ちゃんはだいぶ人間らしい形になり、妊娠7週は鶏卵大くらいだったのが、11週になると、身長約9cm、体重約20gになります[*2]。顔の長さと体の長さが同じくらいの2頭身です。

お母さんはつわりでつらい時期かもしれませんが、赤ちゃんは「胎児」となり、着々と成長していますので、なんとかこのつらい時期を乗り越えてください。

妊娠12~15週(第4月)、おしっこをする姿も!

子宮の中では、お母さんから赤ちゃんに、酸素や栄養をしっかり送る「胎盤」が完成します。

2頭身だった赤ちゃんは、手足が長くなってきます。妊娠15週では、身長が約16cm、体重が約100gくらいになっています[*3]。

赤ちゃんの器官はどんどん作られていき、この頃はおしっこをしている様子がエコーで見られるようになります。

妊娠16~19週(第5月)、性別がわかることも

赤ちゃんは身長が約20cm、体重が約150gと、オレンジひとつ分ぐらいの大きさです[*3]。また、超音波検査で性別がわかるようになり始めます。

妊娠18週くらいから胎動を感じ始めるお母さんもいるでしょう。ただし、胎動を感じ始める時期には個人差があるので、この時期にまだ感じられなくても心配することはありません。

妊娠20~23週(第6月)、音が聞こえるように

赤ちゃんの身長は約25cm、体重が約350gになり、超音波検査で頭髪や手の爪がわかるようにもなります[*3]。

聴力がほぼ完成する時期なので、音も聞こえています。胎動もはっきり感じるようになってくるころでしょう。

妊娠24~27週(第7月)、目が開く!

この時期の赤ちゃんの大きさは、身長が約30cm、体重が約1000gになります[*3]。メロン1個ほどでしょうか。だいぶ大きくなってきましたが、超音波画像で赤ちゃんの顔を見ると、脂肪が少ないため、シワシワに映ります。また、まぶたができて目が開きます。

この時期の赤ちゃんは、心臓の1回の「ドキン」という心拍で、心臓から全身に送り出される血液量(心拍出量)が最大になります。赤ちゃんの心臓のドキドキを感じる人もいます。

妊娠28~31週(第8月)、明るさを感じるように

妊娠後期(第8月以降)となり、赤ちゃんの身長は約43cm、体重が約1800gになります[*3]。この頃には網膜が完成するので、明るさを感じられるようになります。脂肪が増え、赤ちゃんの体は丸みを帯びてきますが、顔はまだシワシワのままです。

羊水の量は、妊娠30週くらいに800mlとなり最大になります。その後は徐々に減少し、妊娠末期では500mlほどになります[*4]。

妊娠32~35週(第9月)、睡眠と覚醒を繰り返す

赤ちゃんの身長は約45cm、体重が約2200gになります[*3]。赤ちゃんの器官も、肺が成熟、皮下脂肪が増加し、体がさらに丸くなります。シワシワだった顔も赤ちゃんらしく、プリプリになります。

お腹の中では寝る・起きるを20分おきに繰り返すようになります。

妊娠36~39週(第10月)、器官が完成へ

身長が約50cm、体重が約3000gになり、37週以降はすべての器官が完成します。

多くの赤ちゃんは赤ちゃんは頭が下になり、出産の準備が完了していきます。なお、出産まで胎動は無くなることはありません。

「赤ちゃんが小さめ」ってどういうこと? 胎児の大きさについて

実際の、1人ひとりの赤ちゃんの身長や体重は、超音波検査で得られた数値で計算式にあてはめて測ります。そのため、上記に示した数値はあくまでも目安だと考えてください。それでも、健診の際に医師から「小さめですね」と言われると心配になるものです。

大きさはどうやって測っているの?

赤ちゃんは子宮内で手足を曲げていますので、基本的には「身長」の測定は困難です。そこで超音波検査で胎児の体の3ヶ所を測って、それを計算式に入れて「体重」を推計しています(推定児体重:EFW)。

計測方法としては、胎児の頭の横幅でいちばん大きな部分(児頭大横径)と、おへそ付近の腹囲、大腿骨(太ももの骨)の長さの3ヶ所を計測して推定しています。

胎児の大きい・小さいは何を基準にしている?

胎児の発育を評価する上で基準になっているのが「胎児発育曲線」です。これは、正期産・正常体重で生まれた赤ちゃんに行われたエコー検査での計測値から作られています。

つまり、計測時期ごとに、胎児の推定体重がこの曲線の基準値の範囲内ならば、正常に発育している可能性が高いということになります。

「赤ちゃんが小さめ」と言われたら?

医師から小さめ以外に指摘されていないのであれば、特に気にしなくていいでしょう。エコー検査の数値から導き出される体重は、それなりの誤差(±10%程度)があることが知られています[*5]。1週間後に再度検査して再計測することもあります。

なお、胎児が妊娠週数から見て小さめである場合、遺伝(両親も小柄である)のほか、赤ちゃんの先天的(もともとある)な病気の問題、胎盤などの問題も考えられます。これらの場合でも、普段の妊婦健診の際に注意深く診ており、基準値を下回る数値が2週間以上続く場合などは、より注意深い細かな経過観察が必要になることもあります。

平均値や超音波で測った数値はあくまでも目安です。どうしても気になるようでしたら、担当の産婦人科医や助産師に訊ねてみてください。

まとめ

お腹の中で毎日成長を続ける赤ちゃん。お母さんはマイナートラブルなどでつらい日もあるかと思いますが、お腹の中の大切な存在に思いをはせながら、できるだけ心穏やかに過ごしてください。また、健診で胎児の成長について言及されることもあるかと思います。大きさ以外に何も指摘がなければ心配はいりません。それ以外に血圧上昇や体重増加/増加不良、尿中蛋白や尿糖の増加などがあれば、医師や助産師の指示に従い、改善に努めましょう。

(文:石井悦子/監修:浅野仁覚先生)

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