宮城・丸森町 保科町長に訊く 復旧の見通し~甚大な台風19号被害 

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(10月16日放送)に、台風19号による被害の大きい宮城県丸森町の保科郷雄町長が電話で出演。被害状況と復旧への道のりについて訊いた。

台風19号、各地で被害  宮城県丸森町役場で記者会見する保科郷雄町長=2019年10月16日午前 写真提供=共同通信社

台風19号の爪痕深く

台風19号の被害で、これまでに12の都と県で74人が死亡、13人が行方不明となっている。また、55の河川の79ヵ所で堤防が決壊。床上浸水などの住宅被害は1万棟を超えた。浄水場の水没や水道管の破裂により13都県の11万戸以上で断水となっており、停電も解消されつつあるものの、まだ広い地域で続いている。

森田耕次解説委員)記録的な大雨をもたらした台風19号による行方不明者の捜索は、今日16日も東日本の被災地で続きました。生存率が下がる目安の災害発生から72時間を経過したと見られ、時間の余裕はありません。大規模な浸水や土砂崩れで、複数の孤立集落が出ました宮城県丸森町は被害の全体像がなかなか把握できないと伝わっていますが、その宮城県丸森町の保科郷雄町長と電話がつながっています。なかなか丸森町の被害の全体像が伝わりにくいのですが、いま町長はどのようなことを把握されているのですか?

保科)雨が降ってから2日ほどは、動けない状況にありました。現在は排水が終わったものですから、徐々に災害状況を把握ということで、国、国交省、県、自衛隊の皆さんの協力を得て、道路の破損が多いので、応急措置をしながら孤立場所に進んでいます。

森田)排水ですが、これはほぼ終わったということでよろしいのでしょうか?

保科)中心市街地は終わりました。他の地域についても、浸水しているところはほとんどありません。

森田)そうすると、いま孤立している場所はないということでしょうか。

保科)いいえ、冠水で孤立しているのではなく、道路が寸断されたことによって孤立しているのです。

森田)なるほど。どれくらいの世帯が孤立しているというのは、まだ把握できないでしょうか?

保科)約2割の地域が孤立しています。食料品や水などは、自衛隊の皆さんにお願いして、ヘリコプターで投下しています。

森田)避難されている方ですが、現在どれくらいに上っているでしょうか?

保科)16日現在で約300人強です。

森田)どういった場所に避難されていらっしゃるのですか?

保科)まちづくりセンターや学校、体育館にお願いしている状況です。

森田)テレビの映像で見たのは、道路の土に「水、食料」と書いたSOSですが、あの地域はどうなっていますか?

保科)孤立した地域にあっても避難所に集まりながら、町指定の避難所だけでなく、近くの集会所にも避難しています。

水が引いて孤立状態が解消された丸森町役場庁舎周辺では、町民らが泥のかき出し作業に追われた =宮城県丸森町(2019年10月15日) 写真提供:産経新聞社

経験したことのない大雨で、排水追いつかず

森田)町の雨が想定外だったと思うのですが、阿武隈川の水位が急激に上昇してきたのは12日の夜くらいですか?

保科)そうです。福島に降った雨が丸森町に来るのは数時間かかりますが、それに加えて筆甫地区と大内地区の雨量がすごかったのです。支流の水位が極端に上がって、町の排水が追いつきませんでした。

森田)音もすごかったのでしょうか。

保科)夜になってから日付が変わるまでは、大変な雨でした。

森田)避難するにもなかなかできる状況ではなかったということですね。

保科)早くに避難勧告は出したのですが、急な雨であったので、避難する暇もなかったと。高齢者の方については把握をしながら避難準備をしていたのですが、それも追いつかなかったという状況にあります。

森田)役場自体も孤立した状況でしたね。

保科)排水が順調であればこういうことにはならないのですが、どうしても雨量が多すぎて想定外でした。支流が越水したというのは経験のなかったことですから、大変な雨量だったと思います。

森田)役場の対応で、町長も泊まり込みだったそうですね。

保科)はい。毎晩職員も一生懸命やっていますから、町民からの要望を聞き受けながら対応に当たりました。

森田)ライフラインに関しては停電や電話の不通もありましたが、現在はどうですか?

保科)道路の補修ができないとその場所へ行けないので、まだ500世帯ほど停電があります。それから、水道の取水口が川にあるのでほとんどの取水口が壊れてしまい、現在断水しています。

森田)電話はいつつながりましたか?

保科)今日16日になってつながりがよくなりました。

森田)なかなか県や関係機関とも連絡が取りにくい状況だったということですね。

保科)向こうからかかってきても私たちにはわからない、かけてもつながらないという状態で、大変もどかしさもありました。

村井嘉浩 宮城県知事

今後の復旧作業について

森田)宮城県の村井知事が丸森町に入られたようですね。

保科)生活の安定を考えれば、住宅の提供も考えざるを得ない状況にあるという話になりました。避難されている方が長く避難所で生活するには、ストレスや病気になる可能性もあります。極力安定した状況づくりを一緒に考えましょう、という話をしました。

森田)今後の復旧ですが、まずは孤立した人たちをどうするかということになるのでしょうか。

保科)道路の改修をしながら、とにかく主要道路だけでも開通するようにして、孤立箇所を減らすことが大事だと思っています。

森田)避難されている300人以上の方が求めていることはありますか?

保科)今後は寒くなるものですから、しっかりと暖房や毛布は提供したいと思っています。十分かどうかは別として、なんとか暖かい寝具などを提供して、安心して避難できるように頑張りたいと思っています。

森田)断水などもあると長期化する復旧作業になりそうですね。

保科)水がないと掃除ができないので、いちばん最初は水ということになるようです。

森田)自衛隊の方なども入られてやっているのですよね。

保科)16日に自衛隊の皆さんから3ヵ所ほど風呂の設置をしていただきました。

森田)長丁場になるかもしれませんが、町長もお体に気をつけて、町民のために頑張ってください。ありがとうございました。

 

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