コンペ部門大賞は「死霊魂」

山形国際ドキュメンタリー映画祭

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各部門の受賞監督が喜びと今後の抱負を語った山形国際ドキュメンタリー映画祭の表彰式=山形市中央公民館

 山形市で開催中の山形国際ドキュメンタリー映画祭2019の表彰式が16日、市中央公民館で行われ、受賞作品が発表された。メインのインターナショナル・コンペティション(コンペ)部門の大賞「ロバート&フランシス・フラハティ賞」に、中国共産党による粛清で収容所に送られながら生き延びた人々の証言を集めた王兵(ワンビン)監督の「死霊魂(しれいこん)」が輝いた。10日に開幕した祭典は17日に受賞作7本を上映し、閉幕する。

 「死霊魂」は8時間を超える長編で王監督の大賞受賞は3回目。市民投票で選ぶ市民賞にも選ばれた。アジアの作家らを対象にしたアジア千波万波部門の最高賞「小川紳介賞」は、レバノン内戦で行方不明になった人たちの存在を刻んだガッサーン・ハルワーニ監督の「消された存在、__立ち上る不在」に贈られた。2作品は米アカデミー賞の応募資格を得た。

 表彰式では会場に足を運べなかった両監督のメッセージが紹介された。王監督は中国で新作を撮影中とし、ハルワーニ監督は広島の原爆ドームでの体験が本作の背景になったとし、ともに受賞への謝意を述べた。

 30周年を迎えた今回の映画祭にはコンペ、アジア千波万波の両部門に過去最多の応募があり、この中から厳選した作品や招待作品など計176本を上映。16日現在で国内外から延べ約1万9千人の映画ファンが山形を訪れ、世界を変え得る映画の力を感じ取った。