経産相は関電の監督者でなく代弁者と福山幹事長

 関西電力元会長ら幹部20人が浜岡原発のある福井県浜岡町の元助役から3億円を超える金品を受領していた問題。原発資金の還流疑惑を解明するはずの国会が金品を受領していた関電幹部は国会招致にも応じず、菅原一秀経済産業大臣は15日の国会答弁で関電が設置した第3者委員会の報告待ち姿勢に終始。関電に対し国会で説明するよう求める姿勢は見せず、今国会での追及をかわす姿勢がありありだった。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は菅原経済産業大臣に関電問題を12月9日までが会期の今国会で解明するため、11月中に報告書を提出するよう指示を求めた。これに対し菅原経済産業大臣は第3者委員会の但木敬一委員長が「年内を目指す」と第1回委員会を開いた今月13日に言っていることを強調。元検事総長の但木委員長が事案を見通して年内までかかるということなので正確を期すために尊重したい旨を答弁した。

 菅原経済産業大臣は「可及的速やかにと要請している。実効性があるように要請する」と繰り返して答えるのみで、11月中に報告するように指示することを拒否。

 福山幹事長は質問後のツイッターで「経産相は関電の監督者ではなく代弁者に成り下がっていました」と厳しく、その姿勢を問題視した。

 また関電はなぜか東京支社長名で参議院予算委員会あてに「委員会におけるご質問等に十分なご回答を差し上げることが難しい状況です」などとして招致に応じることができないと文書で回答してきた。

 回答には「社外委員のみで構成する第3者委員会において徹底的な調査や原因究明を行うこととしており、弊社の全ての膿を出し切り、再発防止に全力をあげて取り組んでまいる所存です」と書かれている。

 この文書は事務連絡を担当する渡辺永久東京支社長発出文書になっている。本来、事務連絡担当者ではなく、総務室担当、経営監査室担当の常務執行役員か、そのクラス以上の担当役員名で連絡するべき案件ではないのか。

 立憲民主党の蓮舫副代表はツイッターで「辞意を表明した会長をはじめ金品を受け取っていた方々に予算委員会委員から正式に国会招致をお願いしたところ、最初は電話でお断り。担当部局や担当者を明記してほしいと依頼すると何故か東京支社のマネージャーから固辞の返信。今度は東京支社長名。関電会長名でないのは何故」と強い疑問を提起した。関電がどこまで今回の事態について説明責任を果たそうとしているのか、やはり疑問符がつく。(編集担当:森高龍二)

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