生まれて初めて見るセブンイレブン 少数民族の子どもたちが入店時に取った行動が「かわいすぎる!!」と話題

タイの山岳少数民族の子供達が遠足で町へ下りてきて人生で初めて見たコンビニに入店する時に取った行動がカワイイと現地で話題になっています。

子どもたちの素直な行動にほっこり

なんと子供達は一人残さず靴を脱いでからコンビニに入店したのです。理由は、いつも先生から人様の場所に入る時には靴を脱ぐように教わっているから。それを知ってキュン死する女性が続出しているそうです。

タイ北部の山岳部集落で暮らしている少数民族モン族の子供達は、この日遠足で先生に引率されて車で町に下りてきました。途中でガソリンスタンドに到着した際に、先生が併設されたコンビニを指差し「ほら、ここは24時間営業で年中無休の商店だよ」と子供達に説明しました。ほとんどの子供達にとって初めて見る店です。山の上の店は夕方には閉まるものだからです。

「セブンイレブンという店だよ」と先生がさらに説明すると子供達は大興奮。そこで先生はトイレ休憩も兼ねて入店を許可しました。買う前に値札で値段を確かめるんだよと注意してから先生がトイレに行くために目を離した少しの間に、子供達はその純朴さを発揮して全員が靴を脱いで入店していたのでした。

SNS上では「あどけなくてカワイイ」「みんなカワイイ」という反応とともに、「先生の教えをしっかり聞いていい子供達ね」「しっかりしつけた先生を褒めたい」と先生の日頃の指導を称賛する声も多数見かけます。

山岳民族の「モン族」とは?

子供達のモン族は、タイ、ラオス、ベトナム、中国雲南省にまたがった山岳地帯に居住しています。かつては焼き畑農業で暮らし、ケシ栽培に従事していた時期も。

モン族というとクリント・イーストウッドが監督と主演を務めた映画『グラン・トリノ』(2008年)に登場するモン族不良少年らを思い起こす人もいるかもしれません。モン族がなぜアメリカにいるのかはベトナム戦争が深く関わっています。

ベトナム戦争ではラオスに居住するモン族はアメリカ軍に協力して、北ベトナムから南ベトナム内のベトコンへの物資補給路「ホーチミン・ルート」を遮断する作戦に参加しました。そのためアメリカ軍のベトナム戦争敗北でラオスにいられなくなり、難民としてタイへ大勢流入。そのうちの一部がアメリカへ移住した経緯があったのです。

今までの生活と全く異なる上に言葉も通じないアメリカでの暮らしに1世はもとより2~3世も苦しい状況から映画と同様に不良化することが実際に多かったのだと思われます。

そんな過酷な人生を送った人達と同じモン族の子供達が現代のタイでは純朴な可愛さで話題になっています。国と境遇の違いで全く別の扱われ方を受けるモン族に少数民族の悲哀を感じずにはいられません。(取材・文◎赤熊賢)

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