閉校する母校を思い演技 式見中3年の全10人 保護者、朗読劇で感謝と激励

閉校をテーマに劇を演じる生徒たち=長崎市立式見中

 2020年3月で閉校となる長崎市立式見中(四杖町、町田雅隆校長)で15日、3年生全10人が「閉校」をテーマにした演劇を発表した。保護者も生徒に内緒で練習してきた朗読劇を発表し、親子で学校や地域への思いを表現した。
 市の演劇アウトリーチ事業の一環で、同市の劇団「F,s Company」(福田修志代表)のメンバーが指導。生徒たちは9月中旬から団員とともに脚本を考え、練習してきた。
 劇は2本あり、それぞれ10年後と15年後、式見中に集まる物語。生徒たちは学生時代の思い出を語り合いながら友人や地元の大切さを感じ、自分たちの原点は式見中にあることに気付いていく姿を堂々と演じた。
 サプライズで朗読劇を演じた保護者たちは、自身の学生時代と子どもたちの姿を重ね合わせ、子どもたちへの感謝や激励の思いを伝えた。最後に「限りある時間の中で、学校と一緒に思い出を増やそう」と語りかけると、生徒たちは目に涙を浮かべながら受け止めた。
 佐々木蒼天(そら)さん(15)は「保護者の劇は驚いたけど自分たちへの思いが伝わって感動した。自分たちも演劇で思いを表現できたので達成感がある」と笑顔で語った。母の理恵子さんは「こっそり練習してきたので驚いてもらえてよかった。子どもの演技から閉校への寂しさがひしひし伝わり、うるっとした」と話した。
 式見中は1947年に開校。現3年生を含めると卒業生は5508人。

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