「歌うように」演奏を 五島ウインドオーケストラ 東京芸大・名誉教授ら指導 来月本番に向け練習

11月の演奏会に向け、山本さん(右)の指導を受ける中高生ら=五島市池田町、福江文化会館

 五島市内の中高生と東京芸術大の教授らでつくる吹奏楽団「五島ウインドオーケストラ」が、来月の演奏会に向けて練習に励んでいる。13、14日は同大名誉教授のクラリネット奏者、山本正治さん(69)が来島し、音の奏で方や呼吸法などを丁寧に指導した。
 島の子どもたちに一流の演奏に触れてもらおうと、県などが取り組む文化事業の一環で6年目。5、10、11月に市内でセミナーを開き、同大の教授や学生ら計十数人が講師を務める。
 ウインドオーケストラに参加する生徒は福江、富江両中学校と、五島、五島海陽、奈留3高校の吹奏楽部員計約90人。演奏会当日は指揮やトランペット、トロンボーンなどを専門とする同大の教授や学生らも演奏に加わる。
 13日は山本さんが指揮台に立ち、演奏会で披露するコンサートマーチ「アルセナール」など数曲を練習。山本さんは、楽器を使わず口でメロディーを歌わせ、楽器で「歌うように」演奏する方法などを指導し、生徒たちも熱心にメモを取っていた。中学1年の時から毎年セミナーを受講している五島高2年の平山歩佳さん(17)は「プロの音色を聞ける貴重な機会。どうしたらその音に近づけるか考えて練習している。(3年で引退するため)今年が最後の演奏会になるので、5年間学んできた成果を出したい」と意気込んだ。
 演奏会は11月10日午後1時半、五島市池田町の福江文化会館。ウインドオーケストラの他、同大メンバーの演奏や、市民による合唱もある。千円(高校生以下無料)。問い合わせは市教委生涯学習課(電0959.72.7800)。

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