パナソニックと日本IBMが協業、半導体製造分野で設備稼働率向上を目指す

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日本IBM(山口明夫社長)とパナソニック スマートファクトリーソリューションズ(青田広幸社長)は、半導体製造工程のOEE(総合設備効率)最大化と高品質モノづくりを実現するための新規商品開発に関して協業した。

中央左が日本IBMの山口社長、中央右がパナソニックの樋口代表取締役 専務執行役員

パナソニックの樋口泰行・代表取締役 専務執行役員は「製造現場のプロセスを支えるため、パナソニックがこれまでモノづくりで培ってきたノウハウを役立てていく。現場では省人化、省力化が課題となっており、効率化のニーズが高まっている。これに応えるため、現場のエッジデバイスから情報を吸い上げ、それを日本IBMのシステムやソリューションで分析していく。パナソニックとIBMが組むことで大きく効果を期待できる」と話した。

パナソニックの樋口・代表取締役 専務執行役員(中継映像)

一方、タッグを組む日本IBMの山口社長は「IBMはこれまでハードウェア、システムインテグレーション、そしてAIを提供してきた。IBMには半導体開発部門がある。また、データ分析の技術開発にも日々取り組んでいる。グローバル企業であるIBMは、日本のソリューションを組み合わせることで、より付加価値を高め、日本市場、そしてグローバルで提供していく」と話し、パナソニックとの協業の先にグローバル展開があることを示唆した。

日本IBMの山口社長(中継映像)

現在パナソニックは、回路形成プロセス事業の中で、半導体製造工程向けに、ドライエッチング装置、プラズマを用いて高品質なウエハーを切り出すプラズマダイサー、金属接合性や樹脂密着性を高めるプラズマクリーナー、高精度ボンディング装置などのエッジデバイス、新工法を開発販売し、モノづくりの先端パッケージを提供している。日本IBMは、半導体製造工程向けの知見により、APC(高度プロセス制御)、FDC(故障・予兆管理)、などのデータ解析システムや、上位レイヤーのMES(製造実行システム)などを開発、販売している。

今回の協業では、日本IBMとパナソニックが共同で開発するデータ解析システムを、パナソニックのエッジデバイスに組み込み、エンジニア工数の大幅削減と品質の安定化、設備稼働率向上を実現する高付加価値化システムとして提供していく。具体的には、半導体製造工程の先端パッケージング新工法として注目されているプラズマダイサーのレシピ自動生成システムと、後工程で実績のあるプラズマクリーナーにFDCシステムを組み込んだプロセスコントロールシステムの開発を目指す。

これにより、これまで試作を重ねて調整を行い、数週間ほど時間をかけていたカッティングを、ダイシング形状を入力するだけで数百種類の組み合わせからなる装置パラメータの自動作成が可能となり、製品の立ち上げ時間を数日までに短縮できる。またエンジニアリングコストも低減できる。

2社は2030年ごろに売上高250億円を目指す。