プラ製レジ袋で論戦白熱 全国初の罰則付き条例案浮上の市で市長選

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亀岡市内のスーパー前で、買い物客らにレジ袋提供禁止条例の是非を問い演説する候補

 20日投開票の京都府亀岡市長選で、店舗にプラスチック製レジ袋の提供を禁止する全国初の罰則付き条例案が争点になっている。現職桂川孝裕候補(56)=自民、国民民主、公明推薦=は「地方から国に一石を投じる」と推進し、共産党が支援する元中学校教諭の新人福井紀代子候補(69)は「罰則を設けるのは拙速だ」と批判する。全国的に注目される条例を、市民はどう判断するのか。

 「エコバッグ持参で保津川を守る。世界が注目している」。15日朝、JR亀岡駅前で桂川候補は訴えた。市は昨年末、保津川の環境や景観を守るため、「プラスチックごみゼロ宣言」を発表、レジ袋規制を打ち出した。告示約2週間前には、条例案を議論する協議会に素案を提出し、自ら争点化に動いた。選挙で信を問うことで、来夏施行に弾みを付ける狙いがある。
 これに対し、福井候補は異議を唱える。14日午後、スーパー前で「ペットボトルなどたくさんのプラがある。レジ袋だけ罰則を設けても解決しない」と買い物客に語り掛けた。レジ袋は生ごみやおむつを捨てる時に再利用する市民も多い。現状では生活への影響が大きいと指摘し、「大量にプラを排出している大企業に減量を求め、市民の活動には援助する。プラごみ対策は店舗への罰則ではなく、市民への支援が大事だ」と強調した。
 レジ袋を巡っては、国も有料義務化を検討するが、市の条例素案は有償でも禁じるのが特徴だ。市民の間でも「エコバッグを持つようになった。プラは環境に悪い」(56歳の自営業男性)、「レジ袋だけ悪者にするのはどうか。ポイ捨てする人が悪いのに」(26歳の会社員男性)と賛否は分かれる。市長選でも、両候補の支援者は一枚岩ではない。
 市は紙袋への転換を求めるものの、プラ製よりコストが高く、小規模店の不安は大きい。亀岡商工会議所は7月、「違反店の公表ではなく、協力店の公表を」との対案を出したが、条例素案に反映されなかった。会議所会頭が支部長の日本商工連盟亀岡支部は桂川候補の選挙母体を担うが、川勝啓史会頭は「素案に反対でも賛成でもない。今後、商業者の意見を集約する」。また、与党市議の多くが素案を知ったのは公表直前で、ある市議は「トップダウンという福井候補の市長批判は的を射ている」と顔を曇らせた。
 福井候補の支援者にも多様な意見がある。支援者が多く集まった9月の集会で、市は参加者にアンケートし、回答者22人のうち、レジ袋有料化や条例での提供禁止に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人が計73%だった、と公表した。主催した亀岡母親連絡会は「回答数が少なく、参考にならない。大会では『禁止に理解は得られていない』とのアピールを採択した」というが、与党市議は「前回選の共産支援候補は、アユモドキ保全を訴え、スタジアム建設に反対した。環境保護の条例に反対すれば、支持者から反発されるだろう」と皮肉る。
 両候補が条例の意義や問題点を有権者に分かりやすく伝えられるかが鍵になりそうだ。

亀岡市プラスチック製レジ袋提供禁止条例素案