メルセデスF1チーム代表を務めるトト・ウォルフは、マクラーレンとのパワーユニット供給契約が加わることによって、メルセデスのF1内での政治的影響力が強まることはないと述べている。
2021年にメルセデスとマクラーレンが再び手を組むことが明らかになった。かつてマクラーレンはメルセデスエンジンとともに、78回のグランプリ優勝と3回のドライバーズタイトルを達成している。
マクラーレンはレーシングポイントおよびウイリアムズと同様にメルセデスのカスタマーになるわけだが、ウォルフは3番目のカスタマーチームを獲得したことで、F1内でメルセデスの影響力や政治力が強まることはないと主張している。
「新たなパワーユニットサプライヤーを持つことに関して議論することは、今のこの時代にはもはや妥当ではないと考えている」とウォルフは『Crash.net』に語った。
「すべてのチームは魅力的なショーを作り上げたいという、より大きな計画を念頭に置いて、それぞれ独自のアドバンテージを模索する必要がある」
ウォルフはカスタマーがエンジンレギュレーションについてのメルセデスの考えに注意を払うだろうことは否定していないが、メルセデスの影響力がそれ以上におよぶことはないとしている。
「議論がパワーユニットに関するものである場合、我々がどのような選択肢を提供するかということにカスタマーが耳を傾けるのは当然だ。しかしシャシーレギュレーションに関して言えば、サプライヤーと同じ目線で取り組もうとするパワーユニットカスタマーなど見たことがない」とウォルフは言う。
「マクラーレンやレーシングポイント、またはウイリアムズが彼らの優先事項に反して何かを決定することなど、私はまったく想定していないと断言する」
「この取引の目的は影響力ではなく、メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズの収益を増やすという商業的背景にあり、4つの異なるチームでエンジンが使用されることで得られる恩恵の部分にある」