国会議員の質問内容、事前に外部に漏洩か

 国民民主党の森ゆうこ参院議員が参院予算委員会で政府答弁を得るため事前に行う「質問通告内容」が外部の民間人に漏洩していた可能性がある問題で、森議員と国民民主党の原口一博国対委員長らが16日記者会見し、「共同会派による漏洩問題追及チーム」立ち上げを表明した。

 原口国対委員長は「(国会質問の)2日前に質問を出せと言いながら、その2日間にネットで叩いてその質問を封じる。これは質問そのものの妨害だ。チームを作り徹底的に追及して明らかにするというのが共同会派の一致した意見だ」と漏洩した経緯を徹底して明らかにしていくことで再発防止を図りたい考えだ。

 舟山康江参議院国民民主党・新緑風会国対委員長は「守秘義務を負っている国家公務員が通告時間やその通告の内容をメディアやネットで漏らすということは大問題だ。野党議員がきちんと事前通告した質問を外部に漏らしてその質問を封じ込めようとするのは、国会議員の質問権の侵害にあたり、看過できない」と重大な問題だと指摘した。

 今回、漏洩事実が明らかになれば「国家公務員守秘義務違反」、「国会議員の質問権侵害」に抵触する事案になる。

 森氏の事前通告が期限より遅れたとのネット上の指摘に対しては、舟山康江参議院国民民主党・新緑風会国対委員長は会見で「森議員の質問通告が予算委員会の委員部に提出されたのは期限内の午後4時台であったことが明確に確認された」と遅れはなかったと説明した。

 また14日のネットニュース番組に出演した大学教授が森議員の質問内容に自身に関する質問項目があると語り、森氏を批判した。大学教授は森氏とのSNS上のやり取りで「連絡は質問項目の中にオレの関係する固有名詞が入っていることだけ」と連絡を受けたことを認める書き込みをしている。

大学教授は「通告を受けるわけない。通告項目中に固有名詞が入っているという連絡を受けただけ。固有名詞だけなので通告内容はわからない」との書き込みや「質問内容その他の質問項目は知らない。これは守秘義務違反でない。答弁をきちんとするために固有名詞があれば確認するのは普通のこと」と反論する書き込みをしていた。

 森参院議員は会見で「ネット番組の内容を知り、すごくびっくりした。通告した質問だけでなく、さらに細かい役所とのやり取りまでもがさらされていた。私の質問権の侵害であり、憲法51条によって保障された国会議員の発言の自由、憲法や民主主義への重大な挑戦だ」と強く危惧した。(編集担当:森高龍二)

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