【台風19号】泥まみれの家財続々 相模原の清掃工場など

被災して使えなくなった資材類や、片付けで生じたごみなどが運び込まれた津久井クリーンセンター=17日午後1時55分ごろ、相模原市緑区青山

 台風19号で、土砂崩れや浸水による被害が相次いだ相模原市。市は津久井クリーンセンターと南、北の清掃工場の3カ所で、被災した家財を災害廃棄物などとして受け入れている。特に被害が深刻な同市緑区にあるセンターには17日も、断続的な雨が降る中、地域住民が泥にまみれた家財を次々と搬入した。

 「これで8回目。運び込めたのは10分の1程度。まだまだ全然、片付けは終わらないです」

 同区鳥屋に住む60代の女性は、疲れた表情でそう語った。乗ってきた軽トラックの荷台には、泥まみれになった家財道具が多く積まれていた。18日から19日にかけ、まとまった雨が降るとの予報が出ており、女性は「雨がまたたくさん降る前に、少しでも減らしたい」と作業を続けた。

 センターの敷地内に設けられた災害廃棄物の仮置き場には、雨戸や階段といった住宅の一部、電気ポットや扇風機、本立て、子どもが使う虫取り網などが山積みされていた。

 再建を期す住民の姿も。家族で工場を営む男性(42)は「腰ぐらいまで土砂が埋まり、保管していた資材なども使えなくなってしまった」と説明。「復旧作業を皆で手分けしている。何とか早く仕事を再開させたい」と前を向いた。

 搬入作業を手伝うセンターのスタッフも、被災者を思いやる。

 「せーの、よいしょ」

 泥水を吸って乾いた畳を2人がかりで運んだ男性スタッフ(42)は「被災者の気持ちを考えると、自分たちができることは何でもやろうと思う」と話し、60代の男性スタッフは「また復旧作業がしやすいように」と、家財を運び終えた住民のトラックの荷台を竹ぼうきで掃いていた。

 市は11月16日まで、家財を持ち込む際、処理手数料を減免する。事前に連絡した上、搬入時に運転免許証などの身分証明書で住所を確認する。センターには津久井地域で被災した住民が持ち込める。

 問い合わせは、津久井クリーンセンター電話042(784)2711▽南清掃工場電話042(748)1133▽北清掃工場電話042(779)1110。

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