光合成で酸素生成 過程の一端解明 菅岡山大准教授ら米科学誌に発表

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菅倫寛准教授

 岡山大異分野基礎科学研究所の菅倫寛准教授(構造生物学)、沈建仁教授(生化学)らの研究グループは、植物が光合成する際に水から酸素を生成する仕組みの一端を解明し、17日付の米科学誌サイエンスに発表した。光エネルギーの活用拡大につながる「人工光合成」の実現に向けた成果として期待される。

 植物の光合成では、「PS2」と呼ばれるタンパク質の複合体が水を分解するための触媒として重要な働きを担っている。グループはPS2の結晶を作り、構造を解明する研究を長年継続。2017年には、酸素が発生する前に水分子が分解されてPS2に酸素原子が取り込まれていることを確認したが、詳しい仕組みは分かっていなかった。

 今回は、物質の動きや変化を原子レベルで調べられる「エックス線自由電子レーザー」がある理化学研究所の施設「SACLA(サクラ)」(兵庫県佐用町)で、PS2の結晶を解析。酸素の発生前、PS2にもともとある酸素原子がわずかに動いて空いたスペースに水分子から分解された酸素原子が入り込み、PS2が酸素を発生しやすい構造に変化していることを突き止めた。

 菅准教授は「今回の研究成果は光合成における水分解の仕組みの核心に迫るもの。さらに研究を進め、光合成の全体像を明らかにしたい」と話している。

沈建仁教授