女友達とのご褒美旅に最適!1日1組限定のオシャレ古民家宿・せとうち古民家ステイズHiroshimaの「長者屋」「不老仙」とは【広島】

広島の山側に行ったことはありますか?島根との県境にある庄原は、日本の原風景が残る美しくも懐かしいエリアです。今回、9月にオープンしたばかりの一棟貸しの古民家に泊まってきました。築100年~250年ほどの立派なお屋敷が、有名建築家の手でリノベーションされた素敵なお宿です。

長者屋

「長者屋」(ちょうじゃや)

長者屋は、その名の通り長者が暮らしていたという築250年ほどの古民家です。外観は里山の風景に馴染む柔らかな色調ですが、一歩足を踏み入れると黒を基調としたシックでモダンな空間が広がっているのに息を呑みます。天井が驚くほど高いのですが、当時は蚕を飼うのに2階があったのを、取り払ったから。

玄関を入ると広い土間があり、隣が牛小屋だったエリアです。この地域では、鳥取の大山信仰が広まっていて、牛は労働力として大切な、人間のパートナーでした。そのため、家と牛小屋が同じ屋根の下にある珍しい造りになっています。今後、写真の展示なども含めたヒストリールームにしていくそうです。

長者屋は、老朽化で解体の危機にあったのを、地元の人々が守ってきたという経緯があります。今回、地方創生プロジェクト「せとうち古街計画」として、瀬戸内ブランドコーポレーションと庄原市観光協会をはじめとする地元有志との取り組みで出来たお宿なんですって。

家の中を見て周っていると、鳥らしき模様を発見!当時の左官屋さんが壁に描いたという鶴かコウノトリなのだそうです。こんな風に建物の中に興味深いポイントが随所にちりばめられているのを見られるのも、貴重なチャンスだなあと有難い気持ちに。

リノベーションで、床暖房になっているので、足元のひんやり感はなし。セキュリティーシステムの導入と床下にコンクリートを入れる耐震加工なども行われたそうです。

伝統と最新技術の融合だなあと思いながら、縁側でほんやりするのも至福の時間です。

バスルーム

日が沈めば、お風呂の時間。

バスルームへのドアを開けたら、洗面所の広さにきっと声を上げてしまいます。まるで共同浴場に来たかのようですが、完全貸し切りです。

浴室も本当に広いです。浴槽は家庭の浴槽の3つ分くらいあるでしょうか。1人で入るのもよし、皆で入るのもよしです。この浴槽は、「研ぎ出し」といい、セメントと石を混ぜ合わせたものを塗り、研いでピカピカに磨き上げたものです。左官屋さんの職人技なのですが、最近は出来る人が少なくなってきているとか。おしゃれですよね。

この広さは、本当に贅沢!お手洗いの広さにもきっと驚きます。そこには、遠くからの旅行者だけでなく、地元の人々が泊まっても、非日常を味わえるようにという思いがあるそうです。

キッチンで夕食

カウンター式のキッチンには、調理に必要な様々なものが置かれています。

名店で腕を磨いて庄原にUターンした三河シェフの出張料理を楽しむこともできます(有料:また別記事でご紹介します)。

ベッドルーム

ベッドルームは、白が基調の落ち着いた空間です。庄原の職人さんがつくったベッドフレームに、国産の分厚いマットが敷かれています。硬すぎず軟らかすぎずで、寝心地最高でした。

他の寝室の布団にも寝転がらせてもらったんですが、こちらも厚みがあって上質なもので、気持ちよかったです。

朝食

お宿は朝食付きです。庄原産小麦を使った厚みのある食パンやクロワッサンを、外パリ中フワを実現するバルミューダのトースターで温めます。そのときどきで替わる地元のジャムは、この日は大坂農園のりんごがザクザク入ったもので、バターと素敵なコンビネーションでした。チチヤスは、実は広島のメーカーです。

カウンターの前の窓の向こうに広がる土手の草も、額縁のように切り取られて美しいこと!

居間は、黒っぽい壁のおかげで、朝は無理のない明るさ。二日酔いの朝を迎えた人には助かると思います。センスがよくて特別感がありつつ、1泊すると親戚の家のような愛着が湧くお宿でした。

〈せとうち古民家ステイズHiroshima〉長者屋

所在地:広島県庄原市比和町1528

電話番号:0824-72-3385

HP:https://shobara-info.com/spot/1989

バケーションレンタル(一棟貸し切り1組限定、最大定員:6名)

開業記念特別価格(税抜):1名32,000円、2名34,000円、3名36,000円、4名38,000円、5名40,000円、6名42,000円 ※土日は+3000円、2019年12月27日までの特別価格

近くのりんご園直売所と市場

長者屋から車で10分ほどのところに、減農薬・有機栽培や袋をかけないで育てるりんごを樹上で出来るだけ熟させてから収穫するというりんご園の直売所があります。

白根りんご園(比和町)

所在地:庄原市比和町木屋原819-2

電話番号:0824-85-2482

営業時間:平日9:00~18:00 土日祝8:30~19:00 秋季限定&不定休

HP: https://shobara-info.com/spot/1089

同じく車で10分のところに、地元のおじいちゃん、おばあちゃんが集う市場があります。秋には、珍しいきのこが手に入るかも。

比和の特産市場

所在地:広島県庄原市比和町木屋原700-1

TEL:0824-85-2882

営業時間:7:00~11:00 4月~12月の土日のみ ※売り切れ次第終了

庄原市ってどんなところ?

広島県庄原市を今回初めて知った人もいると思うので、簡単に説明を。実は、東京23区が2個入るほど広いところで、西日本最大の面積を誇ります。

中国山地の真ん中に位置し、瀬戸内海からも日本海からも離れた、内陸にあります。広島県の中では一番北側にあるので、アクセスは、広島市内から約2時間、尾道から約1時間半、山陰松江から1時間半となります。寒冷地として知られ、秋は稲穂の黄色と蕎麦の花の白がとても美しいエリアです。

日本神話で日本を産んだとされる女神イザナミが埋葬された伝説の残る「比婆山御陵」や、国の天然記念物で橋の形をした巨大岩の「雄橋」や鍾乳洞がある「帝釈峡」などの観光スポットがあります。

「不老仙」(ふろうせん)

長者屋と同時期にオープンした、「不老仙(ふろうせん)」も見学してきました。

上谷町は、仙人が住んでいたという伝説もある土地で、建物は築100年ほどのものになります。日の光がよく差し込む、美しいしつらいのある明るいお宿です。

目の前は、棚田が広がっていて、開放感が抜群!近くには川が流れていて、夏にはホタルが見られるかも。

このあたりでは、台所を「おくどさん」と呼ぶのですが、その名前の由来とされる「かまど」が残されています。

不老仙の井戸水は、ほのかに硫黄の香り。温泉の可能性があるそうで、お風呂に入ると、とろとろすべすべの美肌効果があるとか!

〈せとうち古民家ステイズHiroshima〉不老仙

所在地:広島県庄原市上谷町796

電話番号:0824-72-3385

HP:https://shobara-info.com/spot/2072

バケーションレンタル(一棟貸し切り1組限定、最大定員:6名)

開業記念特別価格(税抜):1名32,000円、2名34,000円、3名36,000円、4名38,000円、5名40,000円、6名42,000円 ※土日は+3000円、2019年12月27日までの特別価格

庄原は冬は雪が1m以上積もるところがあるので、ウィンタースポーツが好きな人や雪道の運転が得意な人にはいいかもしれませんが、連泊して近くを散歩したり、eバイクでぶらぶらして地元の景色をゆったり楽しむ季節に訪れるのがいいなと筆者は思いました。どちらもかなり広いので、4~5人のグループで行くのがおすすめです。

[All photos by Shio Narumi]

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