【熊本城のいま】大天守の「唐破風」木造に

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天守閣の出口に当たる附櫓。特徴的な曲線を持つ木造の唐破風が見える=10日、熊本城

 熊本地震からの復旧工事が進む熊本城では、5日に特別公開が始まり、市民や観光客らが次々と訪れている。初日の入場者は3944人と当初の見込みよりも少なかったものの、大きな混乱や事故はなく、担当職員らはホッとした様子。市熊本城総合事務所によると、14日までの10日間で4万447人が来場した。

 特別公開のメインとなる天守閣では、大天守の外観がほぼ仕上がっている。現在は天守閣の出口部分に当たる附櫓[つけやぐら]と小天守の工事が進んでいる。

 附櫓の屋根の部分は「唐破風[からはふ]」という特徴的な曲線を持つ。この造りはもともと社寺建築にみられ、装飾性が高い破風のひとつ。世界文化遺産の姫路城(姫路市)や国宝犬山城(愛知県犬山市)など多くの城郭に備わっている。

 被災前の熊本城大天守の唐破風はコンクリート製だったが、市は天守閣の耐震性を少しでも高めるため木造に変更し、軽量化を図った。瓦を乗せる部分には防水用に銅板を敷いた。銅板はほかの金属板に比べ柔らかくて軽く、唐破風の曲線に合わせて曲げやすいという利点もある。

 附櫓は年内にも完成する予定で、公開エリアから工事の様子を間近に見ることができる。総合事務所は「何度も足を運んでもらい、少しずつ復旧していくお城の様子を見守ってほしい」と呼び掛ける。

 一方、今回の公開エリアの南側では1日から、来春に公開を控える特別見学通路の鉄骨の組み立てが始まった。通路は備前堀の北側から本丸御殿の南側を結ぶ約350メートルの遊歩道。高さが約5~7メートルあるため工事用車両や重機は通路の下を通り、復旧工事を中断することはない。このため、来場者は平日でも通行することができる。

 鉄骨の組み立ては東側の本丸御殿付近から始めており、床の木材も敷き詰めていく。(飛松佐和子)

(2019年10月18日付 熊本日日新聞朝刊掲載)