村上春樹、処女作タイトルの元となった曲を紹介「歌詞を理解すると音楽の世界が広がる」

作家の村上春樹さんがDJを務め、自ら選曲した音楽とトークをお届けする『村上RADIO』。放送するたび毎回大好評となっています。

9回目となる今回は、「歌詞を訳してみました」と題した訳詞特集です。村上さんが訳した英語詞を歌手・坂本美雨さんと共に朗読しながらお届けしました。(TOKYO FM『村上RADIO~歌詞を訳してみました~』10月13日(日)放送分)

村上春樹、処女作はタイトルが先に決まっていた!

今回は村上さんが選曲し、日本語に訳した洋楽の詞を音楽とともにお届けする訳詞特集。素敵な歌詞がいくつも紹介されました。

その中で選曲されたひとつが『On A Slow Boat To China』(中国行きのスロウ・ボート)。村上さんが自身の処女作である、同名の短編小説について語りました。

村上:僕が生まれて初めて書いた短編小説のタイトルは『中国行きのスロウ・ボート』。僕は短編小説を書いたことがなくて書き方がわからなかったので、最初にタイトルをつけたんですよ。最初に話があったわけじゃなくて、その言葉からどんな話が膨らんでいくだろうという風に書いていったわけ。

今も同じですね。先にタイトルを決めちゃって勝手にどんどん書いていくということがほとんど。

村上:その後に書いたのが『貧乏な叔母さんの話』というタイトルで…。

村上春樹『1Q84』にぴったりの楽曲を紹介

番組後半に紹介された、Pet Shop Boysの『Opportunities(Let’s Make a Lot of Money)』。「おれには頭がある。きみにはルックスがある。一緒に金儲けをしようじゃないか」というフレーズから始まる、金儲け計画に誘う男の歌です。

実は、村上さんのベストセラー小説と関わりがあったそうで……。

村上:『1Q84』という小説を書いた時、この曲がちょっと頭に浮かんでいて。というのは、あれは売れない作家志望の青年と10代のきれいな女の子を一緒にして、ベストセラ―を作っちゃおうという編集者の話なんですよ。この雰囲気に近いんですよね、一種の詐欺というか(笑)。

村上:きっとうまくいかないですよね(笑)。

村上春樹「歌詞を理解すると音楽の世界がぐっと広がります」

そのほかも、素敵な楽曲と村上さんの日本語訳詞がたっぷり紹介されました。村上さんが「歌詞を理解すると音楽の世界がぐっと広がります」と言うように、音楽がより一層素敵に感じられます。

村上さんのトークはもちろん、新たな音楽との出会いや曲の世界観も楽しめる贅沢な1時間です。ぜひタイムフリーでお聴きください。

村上RADIO~歌詞を訳してみました~

放送局:TOKYO FM

放送日時:2019年10月13日 日曜日 19時00分~19時55分

出演者:村上春樹、坂本美雨

番組ホームページ
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