いじめ 長崎県は943件増3213件 長崎県教委まとめ

 長崎県教委がまとめた国立を除く公立小中学校、高校、特別支援学校の問題行動・不登校等の調査によると、2018年度に認知したいじめの件数は前年度比943件増の3213件だった。現在の調査方法となった2006年度以降、過去最多。

 いじめがエスカレートするのを防ぐため、長崎県教委は校長会や管理職研修などを通して、いじめを早期に認知するよう呼び掛けており、報告件数は増加傾向にあるという。学校別では小学校が前年度比877件増の2459件で過去最多。中学校は同62件増の636件、高校は3件増の115件、特別支援学校は1件増の3件だった。

 いじめの内容(複数回答)は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が2270件と最も多かった。悪質な案件もあり「金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする」は172件。「パソコンや携帯電話等で、誹謗(ひぼう)中傷や嫌なことをされる」が74件だった。

 暴力行為の発生件数は同10件増の436件。このうち小学校は過去最多の同27件増の171件だった。

 病気や経済的理由を除いて年間30日以上欠席した不登校の児童、生徒数は1913人で、全児童生徒数に占める割合は1.5%で過去最多となった。

 長崎県教委は「いじめを受けたり見たりしたら、教職員など、まずは身近な大人に相談してほしい。メールや電話、無料通信アプリLINE(ライン)の相談窓口もある。どんなことでもいいので、周りに発信してほしい」としている。

 私立学校に関しては、長崎県学事振興課が調査結果を発表。いじめの発生件数は小中学校、高校で前年度比9件増の91件、暴力行為の発生件数は同4件増の62件だった。

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