中日、抽選2連勝は地元名物アナ“社内幽閉”のおかげ!? 「間違いなく来年も…」

侍ジャパンでも活躍した東邦・石川昂弥【写真:荒川祐史】

若狭アナが現場に出向くと抽選に外れることから「疫病神」と揶揄される

 17日に都内のホテルで行われた2019年度の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。目玉だった大船渡の佐々木朗希投手はロッテ、星稜の奥川恭伸投手はヤクルトが、それぞれ競合の末に交渉権を確定させた。

 この2人とともに、3球団が競合したのが、東邦の石川昂弥内野手。事前に指名を公表していた地元の中日に加え、ソフトバンクとオリックスが1位で入札した。抽選の末に中日が交渉権を獲得。与田剛監督が昨年の根尾昂内野手に続いて、“当たり”を引き当てる強運ぶりを発揮した。

 そして、もう1人、地元・名古屋である意味“強運ぶり”を発揮した男がいた。地元テレビ局CBCの名物アナウンサー・若狭敬一アナだ。

 中日ファンにとって、もはや若狭アナの“伝説“を知らないものはいないだろう。2013年の松井裕樹投手(楽天)から、ドラフト当日に若狭アナが現場取材に出向くと、ことごとく抽選に外れるか、蓋を開けてみれば、別の選手が1位指名に。ファンの間では「疫病神」として、その名が広まってしまった。

 転機となったのは昨年のドラフト。中日は事前に根尾の指名を公言。若狭アナは厄落としのために、名古屋市守山区の倶利加羅不動寺で滝行を行い、ドラフト当日は現場取材には出向かずに社内でドラフトを見守ることに。すると、どうだろう。見事に与田監督が根尾を引き当て、中日の球団関係者からも感謝される事態となった。

今年はCBC挙げて若狭アナを”幽閉“、当日の勤務表にも“幽閉“の2文字

 となれば、今年もやるしかない。ドラフト前には再び倶利加羅不動寺で滝行を行った。この時は星稜・奥川の指名を想定していたものの、しっかりと滝に打たれた。さらに、今年は局を挙げて若狭アナを社内に“幽閉“。当日の勤務日程表にも、しっかりと”幽閉“と書き込まれ、上司からの”監視“もあったようだ。

 すると、まさかの2年連続で与田監督が抽選を引き当てる快挙を達成。SNS上では若狭アナの“幽閉策”を称賛する声があがり一躍話題に。若狭アナは「与田監督がくじを引き当てた瞬間は猛烈に興奮しました。あまりに嬉しすぎて、そのあとの記憶がほとんどありません。改めて滝行の効果と社内待機のパワーに驚いています。ただ、ひたすら会社でじっとしていて、テレビを見て感激しただけですが、達成感に満ち溢れています」と、喜びを口にした。

 事前の指名予想では中日と楽天の入札が予想されていた石川だが、蓋を開けてみれば、楽天は佐々木に入札し、ソフトバンクとオリックスが石川に入札した。若狭アナは「それにしても、オリックスが石川選手を指名したときは度肝を抜かれました。これぞまさに想定外。楽天が回避し、ソフトバンクが指名し、結局3球団の競合になったときは心拍数が上がりました。抽選の瞬間は靴を脱ぎ、正座でした。本当に良かったです」と振り返る。

 若狭アナの“幽閉策”が功を奏した?のか、中日は根尾昂、石川昂弥と2年連続で将来の中軸候補を引き当てた。驚愕の“強運ぶり“に、若狭アナは「間違いなく、来年も社内待機です」。ファンの間で囁かれる”終身名誉待機“の称号も、あながち間違っていないのかもしれない。

 2年連続で社内で“金の卵“の指名を見届けた若狭アナ。「滝行でお世話になった倶利加羅不動寺に感謝です。これでまた滝行希望者が増え、おそらく来年は本堂がキンピカになっていると思います」と語り、滝行に協力してくれた倶利加羅不動寺への感謝も忘れなかった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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