【美女の乗るクルマ】-scene:20- 日産 セレナe-POWER × 星野奏

日産 セレナe-POWER × 星野奏

その凛とした雰囲気、堂々とした態度に仲間たちが自然と集まりついていく

日産 セレナe-POWER × 星野奏

「アンタとこの街にいると、なんだか高校時代にタイムスリップしたような気分になるよ」

奏がポツリと言う。

あの頃は学校にいる時間より、街の雑踏にいる時間のほうが長かった。なにか目的があったわけではない。ただ、道端に座ったりして、何時間もただ意味のない会話を続けていた。どんなことを話していたか、その内容はまったく覚えていないが、きっと特に意味などなかっただろう。

仲間のなかでも奏は目立っていた。リーダシップを発揮して仲間を引っ張るタイプではないが、その凛とした雰囲気、堂々とした態度に仲間たちが自然と集まりついていく、そんな女性だった。ファッションリーダーでもあった。彼女が試したファッションは、仲間の女子たちもこぞって真似したし、読モとして雑誌に登場したことも、一度や二度じゃなかったはずだ。

日産 セレナe-POWER × 星野奏

今日のタイトスカートの色も、よく見ると、愛車のセレナとコーディネートされている。それを指摘すると、「ぐうぜんぐうぜん!」と言って笑った。

奏:「けど、今年はこういうオレンジ系の色が流行ってるんだ」

俺:「それって、自分は意識してないけど、まわりが自分についてきてるってこと?(笑)」

奏:「そんなこと言ってないってば。ほら、あそこにも、あそこにもオレンジ系の人いるし、あ、あそこにも!」

日産 セレナe-POWER × 星野奏

街ゆく人々に目を凝らすようにして、奏は言った。昔からこうだ。自分はすごくないと言う。実際、本人的には装いをそれほど気にしていないのだろう。しかし、周囲の目線は自然と奏に注がれる。

彼女の愛車、このセレナも、“道具”として日々活躍するミニバンでありながら、さりげなく周囲から注目されるデザインであることが奏に似ている。日産のアイデンティティにもなっているダブルVモーショングリルがさりげなく強調されているし、宝石をちりばめたようなグリルパターンはきらびやかで、華やかな雰囲気の奏によく似合う。新色だというボディカラーのオレンジは、あの頃俺たちが朝帰りした時によく見ていた、朝日のようなイメージで眩しかった。

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だんだん荷物が重くなり、気がつくと身動き取れなくなっている感覚

日産 セレナe-POWER × 星野奏

彼女からドライブの誘いが来たのは3日前だ。高校卒業後も何度か会うことはあったが、ファッション好きの彼女が「自分の店を出すんだ」と大きな夢を追いかけて必死になっているところに、こちらから連絡することは気が引けた。決して彼女に関わりたくないわけではなく、彼女の人生を邪魔したくない、そんな気持ちだった。

奏:「先生に師事して毎日たくさん勉強して、ちょっとでも時間があればアイディアを形にしてはボツにして、それでいて生活費を稼ぐためにバイトもしなきゃいけないし……なんていうか、だんだん荷物が重くなってく感覚みたいのがあるんだよ。気がつくと身動き取れなくなっちゃってるの」

会うなり、彼女はまくしたてるように自分の今の心境を言葉として吐き出した。そしてこう続ける。

奏:「けどね、自分でもう、あ、これヤバいとか思った時に、こうしてセレナでドライブしてると、荷物を地面に下ろしたみたいに、すっと心が軽くなるようなことがあるんだ」

俺:「たしかにドライブっていうのは気持ちが良いもんだよな」

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奏:「そう、特にこのセレナはね。ところで、あの頃より人生経験を重ねてジェントルマンになったであろうアンタは、こうやって女性がハンドルを握ってることに対してどう思ってるのかしら?」

俺:「あ、失礼、マドモワゼル。運転、私が代わりましょうか?」

奏:「そうしていただけるかしら、ミステル」

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俺:「ははっ、そうしろそうしろ。こう見えても俺は運転上手いんだぜ。週末はいつもウチの社長のマセラティを運転しているくらいだからな」

奏:「それってゴルフへ行く時の運転手ってことでしょ?」

俺:「ま、そうなんだけどさ」

と俺が答えると、奏はどこともなく遠くを眺めながら笑った。

その笑みが消えそうになった瞬間、俺はそっと言ってみた。

俺:「なんかあった?」

彼女はその質問に答えることはなく、ただ、「人間ってのは意外に頑丈なんだよね」と答えた。

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あの頃、本当はどこへ行きたかったんだろう

日産 セレナe-POWER × 星野奏

クルマを降りて二人で雑踏を歩くと、いつかの街にいるかような錯覚を抱く。

俺:「あの頃の俺たち、ほとんど毎日ここにいたよな」

奏:「うん、けど本当はどこへ行きたかったんだろうね?」

俺:「卒業して、みんな思い思いの方向へ行ったんだろ。で、奏は俺をフって別の男にはしった(笑)」

冗談ぽく言ったつもりだったが、奏を見ると、まるで幼い子どもが親から叱られた時のような、今にも泣きだしそうな顔をしている。そして、こう答えた。

奏:「けど、どこへも行けなかったなあ…」

しばらく街中を歩いた後、またセレナに乗り、ドライブを続けた。俺は主に話の聞き役だった。それは、最近のトレンドがどうの、他のデザイナーの卵がどうのといった他愛もない内容だったが、奏のためにも、いつまでもそうしていたかった。

日産 セレナe-POWER × 星野奏

奏:「あ、そろそろバイトの時間だ。もう行くわ」

腕時計に目を落とすと、そう言うなり運転席に乗り込み、エンジンスタートボタンを押した。そのすべての動作がかっこいい。女性に対して「かっこいい」が褒め言葉なのかどうかわからないが、あの頃も、そして今でも、彼女はひとつひとつの動作が絵になる女性だ。

奏:「じゃあ、今日はありがとね」

そう言って窓から顔を出した奏に、ひと言聞いた。

俺:「結局、奏はどこへ行こうとしてたんだ?」

曖昧な笑みを見せつつ、彼女はこう言った。

日産 セレナe-POWER × 星野奏

奏:「アンタみたいな人と思い出を笑って話せる未来、かな」

どうして年を重ねるのか、俺も三十路が近づくにつれ、ようやくわかってきた気がする。毎日の忙しさや苦労していることに悩むためじゃない。いつだって、家族や好きな人、仲間たちの、新たな笑顔を見るため、笑い声を聞くためなのだ。目的地なんてどうでもいいやと思い直す。あの頃のように、日々を笑って過ごせれば、それでいい。

[Text:安藤 修也/Photo:小林 岳夫/Model:星野 奏]

Bonus track

星野 奏(Kanade Hoshino)

日産 セレナe-POWER × 星野奏

1989年10月30日生まれ(27歳) 血液型:O型

出身地:神奈川県

SUPER GT2019 T-DASHエンジェル

SUPER GT2018 ARTA GALS

SUPER GT2017 R`QS triplets

NCXX RACING RACE QUEEN2018

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