【台風19号】停電、断水、通行止め… 影響、長期化か

土砂が崩れ、2人が行方不明になっている現場=相模原市緑区牧

 台風19号の襲来から、19日で1週間。神奈川県内でも被害が深刻な相模原市緑区ではいまだ停電や断水が続き、復旧のめどが立たない地域も少なくない。土砂崩れで通行止めになっている区間もまだ多く、市民生活への影響が長期化することが懸念される。

 市が18日午後5時現在でまとめた被害状況では、人的被害は計10人で、内訳は死者6人、行方不明者2人、軽症2人。住宅被害は全壊8棟、一部損壊6棟、床上浸水6棟、床下浸水9棟だった。

 同市緑区の一部地域では、停電や断水が続いている。水道も徐々に復旧してきてはいるが、鳥屋・青野原・青山・長竹地区の392世帯、千木良・小原地区の5世帯の計397世帯で断水が続く。土砂崩れなどの影響で、通行止めは高速道路を除く計23区間を数え、区内では渋滞が慢性化している。

 東京電力パワーグリッド相模原支社によると、18日午後6時現在、青根地区を中心に約100軒が停電。支社は「土砂崩れの影響で現場に立ち入れず、復旧作業が進められない状況にある」と説明する。

 一方、鉄道は運転を再開し、高速道路も通行止めが解除される見通しとなった。

 JR中央線は18日から運転を再開。19、20の両日には高尾-相模湖間で午前7時ごろから午後7時ごろまで単線運転を行う。相模湖-小淵沢間は相模湖駅で折り返し運転を行う。21日以降は、高尾-相模湖間が単線運転を継続し、運行時間も午前6時ごろから午後9時ごろまで伸ばす。ただ全線復旧は10月末ごろを見込む。

 通行止めが続いている中央自動車道八王子ジャンクション-大月インターチェンジ間について、中日本高速道路は19日正午をめどに通行止めを解除すると発表。ただ同日にかけて大雨が予想されることから、同社八王子支社は「解除時間を変更する場合もある」としている。

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