デイモン・ヒル「ハミルトンはイギリスが生んだ最も偉大なドライバー」と称賛。過小評価されていると嘆く

 元F1世界チャンピオンのデイモン・ヒルは、メルセデスのルイス・ハミルトンはイギリスがこれまでに生み出したもっとも偉大なドライバーであると称賛、しかしその才能にふさわしい評価を受けていないと考えている。

 2019年のF1シーズンも残すところあと4戦、ドライバーズ選手権で現在首位のハミルトンはチームメイトで同2位のバルテリ・ボッタスに64ポイント差をつけており、6度目のF1世界チャンピオンを獲得する可能性が高まっている。

 F1の伝説的な存在であるミハエル・シューマッハーのタイトル7回獲得に迫るハミルトンは、通算優勝回数に関しても、シューマッハーの91勝という歴史的な記録にあと9勝で追いつく。

 別の時代に活躍したドライバー同士を比べることは無意味との考え方もあるものの、1996年のF1世界チャンピオンであり22回のグランプリで優勝経験を持つヒルは、ハミルトンはイギリスから出たベストドライバーだと主張している。

日本GPで優勝した同僚のバルテリ・ボッタスと健闘をたたえ合うルイス・ハミルトン(メルセデス)

「ルイスはイギリスが生み出した史上もっとも偉大なレーサーであることは、言うまでもなく明らかなことだ」とヒルは『Daily Mail』に語った。

「この後のもう1シーズンで、彼はシューマッハー(の記録)に並ぶ。このことはほぼ達成不可能だと考えられていた」

「年を追うごとに、彼はあらゆる状況であらゆる相手に対して結果を出してきた。そして今、彼は自身のドライビングを芸術の域に高めた」

「彼はあらゆる面で成熟している。まさに恐るべきレーサーだ。おそらく今、パフォーマンスがキャリアのピークに達している。そのことが分かっているからリラックスしているのだろう」

 ヒルは、F1のスーパースターであるハミルトンが、ふさわしい称賛を得ていないと考えており、その原因はハミルトンではなくF1そのものにあると主張した。

「それはルイスのせいではない」とヒルは語った。「F1が注目の的から外れているスポーツだからではないだろうか」

「イギリスにファン層はまだ存在するが、ミハエルがすべてを勝ち取った頃から、多くの人々がF1から離れ、世界的に視聴者数が落ちこんでいるのだ」

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