巨人丸、広島長野、楽天浅村らの今季は… FA、人的補償で移籍した選手の1年を振り返る

広島・長野久義、巨人・丸佳浩、楽天・浅村栄斗(左から)【写真:Getty Images、荒川祐史】

今季は4選手がFA移籍、3人が人的補償

 日本野球機構(NPB)は15日に2019年のフリーエージェント(FA)有資格選手を公示。今季新たに国内FA権を取得した選手は23人、海外FA権を取得した選手は9人だった。昨年オフはFA権を取得した4選手が移籍し、それに伴って3選手が人的補償でチームを離れた。7人はそれぞれ、移籍1年目をどう過ごしたのだろうか。今季の成績を振り返る。

○巨人:丸佳浩(元広島) → 人的補償:長野久義
 丸は143試合に出場、打率.291、27本塁打、89打点の活躍で5年ぶり37度目のリーグ優勝に貢献した。阪神とのクライマックスシリーズファイナルステージ第4戦では同点の2死三塁で決勝点を導くセーフティバントを決め、日本シリーズ進出を決めた。

 人的補償で広島に移籍した長野はプロ入り10年で最も少ない72試合出場にとどまり、7月には2軍落ちも経験した。8月23日に再昇格すると、9月には3本塁打含む月間打率.313と復調。今季を打率.250、5本塁打、20打点で終えた。

○阪神:西勇輝(元オリックス) → 人的補償:竹安大知
 オリックスからFAで移籍した西は26試合に先発し、10勝8敗、防御率2.92をマーク。8月中旬までは5勝にとどまっていたが、8月24日のヤクルト戦(神宮)から5連勝、昨年に続く2桁勝利を挙げた。クライマックスシリーズ(CS)では2試合に先発した。

 一方の竹安は、阪神時代の3年間で1軍登板は3試合のみだった。しかし今季は10試合に先発し、3勝2敗、防御率4.50。8月17日のロッテ戦(京セラ)ではプロ入り初完投初完封勝利を飾った。人的補償で移籍した選手が完封するのは2013年の藤井秀悟(当時DeNA)以来、史上3人目だった。

○楽天:浅村栄斗(元西武) → 人的補償なし、金銭のみの補償
 浅村は主に3番打者として143試合に出場し、打率.263、33本塁打、92打点の活躍。楽天は3位でレギュラーシーズンを終え、2年ぶりCS進出に大きく貢献した。ソフトバンクとのCSファーストステージでは、敗れたものの3戦連続の4本塁打を放ってチームを牽引。11月の「プレミア12」日本代表にも選ばれている。

○巨人:炭谷銀仁朗(元西武) → 人的補償:内海哲也
 炭谷は8月には1か月の離脱もあり、今季58試合出場で打率.262、6本塁打、26打点だった。

 巨人から西武へ移籍の内海は先発ローテ入りが期待されていたが、開幕前に左浅指屈筋(せんしくっきん)の肉離れで戦線離脱。プロ入り16年目で初めて1軍登板がなかった。(Full-Count編集部)

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