ルノー 新型トゥインゴ試乗|RRで小回りキレッキレ、子犬みたいなハッチバック

©オートックワン株式会社

ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ

私を魅了する、ミニカーみたいなクルマ

小さくて、可愛くて、コロコロと元気よく走る。ルノー トゥインゴはいつも私を魅了してやまないクルマだ。手のひらに収まるくらいのミニカーをそのまま大きくしたみたいなポップな形。

「ゼンマイ式なので、おしりのネジ巻きを回してから乗ってください」と言われても不思議じゃない。そんなトゥインゴがリニューアルしたということで、改めてじっくり試乗してみることにした。

キリッと大人っぽく変わった新型トゥインゴ

”えくぼ”がなくなり、精悍な顔つきに

新しいトゥインゴと初めて顔を合わせたときの第一印象は、「あれ、ちょっと大人っぽくなった?」だった。これまでは、くりくりした目と愛嬌ある表情が特徴だったが、LEDを新たに採用したヘッドライトはキリッとしていて、グリルまわりも変わり、口元も引き締まった印象だ。

個人的にチャームポイントだと思っていたえくぼのようなデイライトがなくなったことも大きいのだろう。全体的に精悍で真面目になった印象だ。

ルノー トゥインゴ(3代目) 2016年7月モデルチェンジ
ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ

インテリアも”最近”っぽく進化

車内に乗り込んでみると、クルマの真ん中にきちんと専用のインフォテインメントシステムが埋め込まれていて、「最近のクルマっぽくなってる!」と思った。

ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ

トゥインゴ GTが出るまでは画面もなく、スマホをナビ代わりに使うようになっていた。それはそれで割り切った良さがあって個人的には好きだったのだが、やはりこの方が万人には受け入れられるのだろうなと思う。

小気味いい走りは健在!

バビュンと飛び出し、ハンドルも鋭く切れる

ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ

パワートレインに変更はなく、搭載しているのは0.9L直3ターボエンジン(92PS/135Nm)と6段DCT。馬力だけを見ると非力に思えるかもしれないが、思いのほか低速トルクがあって車重も軽いので、あまりパワー不足は感じない。

アクセルを踏み出すと、おもちゃのパチンコみたいにバビュンと飛び出すような感覚がトゥインゴのキャラクターに合っていて、運転しているとウキウキしてくる。RR(リアエンジン/リア駆動)なので「こんなに切れていいの?」と思うほど、ハンドルが鋭く切れて小回りも効くので、ちょっとしたワインディングも楽しいし、なにより女性も安心して運転できると思う。

マイナーチェンジしても、小気味いいドライビングをするトゥインゴの良さはそのまま残っていた。

便利で効率的、でも寂しさも感じる

これ以上大人にならないでね

「でも、なんだか前よりしっかり走る気がするなぁ」

高速を平然と直進するトゥインゴを見てそう思う。ちょっと大人びた横顔を見たからなのだろうか?

最近はクルマに関するあれこれがどんどんと神経質になって、求められることが多くなって、窮屈なクルマが多くなっているように思う。もちろんそれは人間にとって便利で効率的で良いことなのかもしれないけれど……。

どこか抜けていても、その人なりの味があって、あたたかみがある。そういう人を好む私としては、ただただ完璧なクルマだけの世界になってしまうのは寂しいことだ。

ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ
ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ

人間に付き合ってちょっと真面目な顔をしている新しいトゥインゴを見て申し訳なくなりつつも、それでもまだ子犬みたいに地球の上をぽよんぽよんと駆け回るイメージを持たせてくれるトゥインゴに「これ以上大人にならなくてもいいからね」と心の中で呟いた。

[筆者:伊藤 梓/撮影:佐藤 正巳・島村 栄二]