あいトリ補助金不交付決定翌日に交付要綱変更?

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 文化庁が国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付を決定した翌日に、文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」が芸術文化活動への助成金交付要綱を変更していた。

 要綱に「その他公益性の観点から助成金の交付(内定)が不適当と認められる場合」との文言を加え「補助金の交付や内定を取り消すことができる」とした。

 対象は美術だけでなく、音楽、舞踏、演劇などすべての分野に適用するもの。「公益性の観点」というあいまいな規定に基づくものだけに、判断時には「判断」の透明性と厳格化が求められる。

 補助金の原資となる「芸術文化振興基金」は振興会HPでの説明では「政府からの出資金541億円と民間からの『出えん金』112億円の合計653億円で成っており、その運用益により助成を行っている」としている。ほかに文化庁からの文化芸術振興費補助金を原資とした助成金交付をしている。

 文化庁は「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付を不透明な手続きの中で決定し、理由については手続きの問題とした。しかし、企画展「表現の不自由展、その後」に慰安婦を象徴する少女像の展示などの表現作品があったことに起因するとみられ、振興会の今回のこの時期での要綱改定に、こうした文化庁の対応に忖度したのではないかとの見方が出ている。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は17日の記者会見で「改正されたのはなぜか、どういう理由で、誰が指示したのか。『公益性の観点から助成金が不適当と認められている場合』は、いったい誰が判断するのか」と疑問を提起。

 そのうえで「この時期に決めることは、より『表現の自由』の萎縮効果を生むのではないか。疑問や懸念がたくさんある。問題意識を持って事実関係をただすとともに、なぜこうしたことが起こったのか問題提起していきたい」と語った。

 日本芸術文化振興会の河村潤子理事長は文化庁次長、文科省生涯学習政策局長、内閣官房内閣審議官などを経て昨年4月に現職に就いた。清水明理事長代理は安倍内閣の下で文科大臣官房文部科学戦略官、文科省総合教育政策局長を務め、今年7月から現職に就いた。(編集担当:森高龍二)