MotoGP:王者マルケス、日本GPでクラス初ポールを獲得。中上は惜しくもQ2進出を逃すも健闘

 MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスの予選がツインリンクもてぎで行われ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がもてぎで、同クラスとしては初めてポールポジションを獲得した。負傷をおして出場している中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、13番グリッドを獲得している。

 MotoGPクラスのフリー走行3回目は雨による路面状況の悪化により、セッションのスタートがディレイ。定刻よりも10分ほど遅れて始まった。気温17度、路面温度20度で、フルウエットの路面コンディション。

 セッション序盤はマルケスがトップタイムをマーク。マルケスはラップごとにタイムを更新し、トップをキープする。ここにドゥカティ・チームのダニロ・ペトルッチとアンドレア・ドヴィツィオーゾが続き、前日の初日で上位につけたヤマハ勢はトップ5に食い込めずにいたが、セッション開始20分を過ぎて、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が3番手に浮上した。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)

 セッション終盤を迎えても、トップは依然としてマルケス。セッション残り時間2分を切って、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が大きくタイムを更新するも、マルケスには及ばず2番手にとどまる。しかし、ペトルッチが最後のアタックで、1分54秒710を記録してマルケスのタイムを0.174秒上回った。

 ペトルッチはこのタイムでフリー走行3回目をトップで終えた。2番手はマルケス、3番手がモルビデリで、4番手はビニャーレスとヤマハ勢が続き、5番手にはスズキのテストライダーであり、今大会にワイルドカード参戦をするシルバン・ギュントーリ(チーム・スズキ・エクスター)。

 初日総合トップだったファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は8番手。右肩の怪我の具合が懸念される中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、ウエットコンディションのなか18周を周回して15番手だった。

 なお、ギュントーリのマシンには、初日フリー走行1回目と2回目のセッションで走行したマシンに2020年型のエンジンが投入されていたが、10月19日、これについてペナルティが課された。本来はフル参戦ライダーのアレックス・リンスとジョアン・ミルと同じ仕様のエンジンがギュントーリのマシンに使われなければならなかったところ、別の仕様(2020年型)のエンジンが搭載されていたためである。このペナルティにより、フリー走行1回目と2回目についてギュントーリは失格。結果についてタイム抹消となっている。

 天候は次第に回復。フリー走行4回目が始まるころには、雨はすっかり上がり、気温も上昇。すべてのライダーはレインタイヤでスタートしたものの、路面状況も次第にドライへと向かっていった。

 セッション残り時間15分となるころには、ジャック・ミラー(プラマック・レーシング)、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)をはじめとしてスリックタイヤへの履き替えが始まり、セッションが終わるころにはほとんどのライダーがスリックタイヤでの走行となった。

 最終的に、トップタイムはマルケス、2番手がビニャーレスで、3番手がクアルタラロ。4番手にはクラッチローが続き、5番手がロッシで、ヤマハ勢が初日の総合結果のように上位を占めた。

■予選:マルケスが日本GPでポールポジション獲得。最高峰クラスとしては初

 Q1から予選に臨むのは中上、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)など。このころには路面状況が回復し、Q1に出走したすべてのライダーがスリックタイヤで走行した。

 1回目のアタックで1分47秒877をマークしてトップに立ったのは、右肩に怪我を抱える中上だった。2番手にクラッチローが続き、さらに3番手にはリンスが控える。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)

 Q2進出をかけて始まったセカンドアタックで、クラッチローが中上のタイムを0.571秒更新する。しかし残り2分を切ったところで、中上がクラッチローのタイムを上回るとトップへ再浮上。その翌周にはクラッチローがトップを奪還し、LCRホンダ同士で激しいトップ争いが繰り広げられた。

 チェッカーが降られたとき、中上は2番手。Q2進出を決めたかに思われたが、最後の最後、アタックを決めたリンスが中上のタイムを0.034秒上回った。クラッチローがトップ、リンスが2番手でこのふたりがQ1を突破した。万全の体調ではないなかで奮闘した中上は惜しくもQ1で3番手に終わり、13番グリッドから決勝レースを迎える。

 そして迎えた予選Q2。まずトップタイムをマークしたのは王者マルケス。マルケスはトップタイムをマークした翌周にもさらにタイムを詰め、首位の座をキープする。2番手につけるのはクアルタラロ。マルケスがトップ、クアルタラロが2番手のまま、各ライダーがピットインを始め、セカンドアタックの時間帯に入った。

 このセカンドアタック序盤は2番手にミラー、さらに3番手にはクアルタラロのチームメイト、モルビデリが浮上した。いったんは4番手にポジションを落としたクアルタラロ。しかしセッション残り時間2分を切ってマルケスから0.347秒差の2番手に浮上する。

 マルケスとクアルタラロののポールポジション争いに割って入ったのが、ビニャーレスだ。ビニャーレスはその翌周にもアタックを続けたが、タイムの更新はならなかった。トップを堅守するマルケスは、ラストアタックでさらにタイムを更新。1分45秒763で堂々のポールポジションを獲得した。意外にも、これがマルケスにとって日本グランプリで初めてのポールポジションだ。

フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)

 2番手は、ビニャーレスが確実かと思われたがモルビデリが奪取。ラストアタックでタイムを詰め、ポジションを上げた。モルビデリにとっては2019年シーズン3度目のフロントロウである。3番手につけたクアルタラロは、2番手を逃したものの最前列に並ぶ健闘を見せた。

 4番手にはビニャーレスが入り、依然としてヤマハ勢が好調。ただ、ロッシは10番手とヤマハのなかでも苦戦を見せている。5番手はクラッチローで、ドゥカティ勢最上位は6番手のミラー。ドヴィツィオーゾは7番手だった。

 日曜日の決勝レースはドライコンディションが予想される。レースでもマルケス対ヤマハの争いが展開されることになるのか。2019年のMotoGP日本GP MotoGPクラスの決勝レースは10月20日15時からスタートを迎える。

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