2019年F1チャンピオン争いの権利を持つのはハミルトンとボッタスのみに。メルセデス代表「ふたりを平等に戦わせる」

 メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、今シーズン残り4戦となったいま、ドライバーズタイトルを争うふたりのうちどちらかを優遇するようなことはしないと述べている。

 チームは日本GPにおいて、すでに6年連続となるコンストラクターズタイトルを獲得しており、フェラーリによる以前の連続タイトル獲得記録を打ち破ることに成功した。

「どのタイトルも、それぞれ異なる理由があって特別に感じてきた。しかし15年前にフェラーリが打ち立てた記録を破った6度目のタイトルは、とても特別なものと感じる」とウォルフは語った。

「これまでに果たされことのない記録だから、素晴らしい気分だ。これこそF1であり、モーターレースだ。これは歴史的記録だろうか? それは分からない。もっと重要なこともあるが、私たちは非常にうれしく思っている」

 日本GPを終えた段階で、ドライバーズタイトル獲得のチャンスを有するのは、ポイントリーダーのルイス・ハミルトンと、チームメイトのバルテリ・ボッタスのみとなった。

 シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン、セバスチャン・ベッテルは、数字上でも残りのレースでハミルトンに追いつくことが不可能になり、メルセデスが今シーズン、ダブルタイトルを獲得することは確実だ。

 ハミルトンとボッタスの差は64ポイント差で、ハミルトンが圧倒的に有利な状況だ。チームタイトルを獲得した現在、ウォルフはどちらかのドライバーを優遇することで、彼らのバトルに介入するつもりはないと語った。

「我々は過去に決めた価値観に対して忠実に、常に最も公平なゲームをしなければならない」とウォルフは鈴鹿で『BBC』に語った。

「誰もが彼らが競い合う場面を見ることを切望しているのは確かだが、ときとして、それがいかに難しいことかは分かるだろう」

「バルテリはポイントの点では見込みが非常に低い。4戦中、優勝2.5回分のポイントを獲得することが必要になる」とウォルフは付け加えた。

 2019年シーズンのボッタスはここまで3度の優勝を飾っている。日本GPでは卓越したスタートを決め、その後は誰にも抜かれることなく勝利を手に入れた。

 日本GPでハミルトンはベッテルの後ろの3位に甘んじなければならず、レース前半、磨耗したタイヤで望むより長い時間を走らせたチームの戦略に不満を示した。

 しかしハミルトンは第17戦日本GP終了時点ですでに9度の優勝を飾っている。彼が表彰台を逃したのはわずか3回で、ここまでで今季最低の結果はドイツGPでの9位だ。

 ウォルフは、シーズン最後までふたりを平等に扱っていくと語った。
「彼らに公平なチャンスを与えていく。コース上でのレースは彼ら次第ということになる」

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