脳卒中治療の最前線を紹介 横浜で啓発講演会

磯子消防署の協力で、脳卒中の疑いがある時の対応を解説する寸劇も行われた=関内ホール

 脳卒中の治療の最前線を紹介する市民講演会「もしも脳卒中になったら」が19日、横浜市中区の関内ホールで開かれた。脳卒中・循環器病対策基本法の成立と、この10年の治療技術の進歩で、より多くの患者が救われる新たな時代に入ったことが医師らから紹介された。

 市立脳卒中・神経脊椎センターが主催し、約400人が参加した。

 講演会では、センターの城倉健副病院長が、基本法による地域診療体制の整備状況を紹介。脳の血管に詰まった血栓を薬で溶かす「rt-PA静注療法」(発症から4時間半以内)を常時行える「一次脳卒中センター(PSC)」の認定が今月に終わり、今後は「機械的血栓回収術」も常時行う地域の中核施設「PSCコア施設」の認定が進むとした。

 またセンター血管内治療センターの中居康展部長が機械的血栓回収術を説明。「ステント型血栓回収機器」など、脳血管の中に入れて血栓を取り除く機器が劇的に進歩し、発症から24時間以内でも、ケースによっては治療効果が得られるとした。

 その後、磯子消防署の協力で、脳卒中の疑いがある時の対応などを説明する寸劇も行われた。

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