創成館・真鍋 絶妙バントで決勝点 熊本国府に4対2で逆転勝ち 九州高校野球第1日

【1回戦、熊本国府-創成館】8回裏創成館2死二、三塁、真鍋が三塁線に適時バント安打を決める=佐賀県立森林公園野球場

 2年ぶりの九州制覇と春の甲子園を狙う創成館が攻守両面で粘り強さを発揮して準々決勝進出。苦しみながらも最終的に負けなかった選手たちに稙田監督は「トーナメントを上がるには一番いい試合だったと思う。県大会を含めて一戦一戦、本当に成長してくれている」と及第点を与えた。
 決勝点を生んだのは、背番号16の真鍋。1-2の八回、同点に追いついて、なおも2死二、三塁で打席に立つと、冷静に相手の守備を確かめた。「サードが下がっている」。2ボールから意表を突いたセーフティーバント。「どうか入ってくれと祈った」。バッテリーが見送った白球は三塁線のフェアグラウンドぎりぎりで止まった。球場は大歓声に包まれた。
 県大会はベンチから外れて悔しい思いをしたが「練習不足だった」と謙虚に受け入れた。「時間を大切に、バントは100パーセント決める気持ちでやってきた」。その努力が今大会前の紅白戦で認められ、この日は7番・二塁での先発起用。最後まで勝負を託した稙田監督は「サインなしで、こちらの意図が伝わっていた」としびれる場面を振り返った。
 ただ、まだ8強。選抜切符をつかむには、投手陣の無駄な与四球や中盤までの拙攻などの反省も必要になる。エース白水は「しっかり修正したい」と気を引き締め直した。
 ここ10年の九州大会出場は県内断トツの春秋計11度目。他県も警戒する強豪に成長したチームは、やるべきことを分かっている。

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