【神奈川ダービー】横浜M快勝で首位肉薄「どこも止めることはできない」 6戦負けなし、04年以来のV射程

ポステコグルー監督

◆横浜M3-1湘南

 サッカーJ1第29節は19日、ニッパツ三ツ沢球技場で横浜F・マリノス(横浜M)-湘南ベルマーレの「神奈川ダービーマッチ」が行われ、3-1で快勝した横浜Mが勝ち点を55に伸ばして3位をキープし、首位の鹿島アントラーズに勝ち点1差と迫った。湘南は浮嶋敏新監督の初采配を飾れず4連敗。16位に後退し、J2降格危機を脱することができなかった。

 リーグ最多得点を誇る横浜Mのアタックは、相手のシステム変更や対策を苦にしないほど成熟している。「相手は4-4-2? 言われるまで全然気付かなかった。相手の間で受けて、ボールを動かすことができた」。試合後の松原健の何気ないコメントが今のチームの勢いを表していた。

 サイド攻撃を警戒した湘南は前節までの3バックから4バックに変更。細かくなったはずの最終ラインの網の目を、横浜Mはあうんの呼吸のパスワークですり抜けていく。仲川輝人、エリキ、マテウスの3トップが次々とゴールへ迫り、前半39分に仲川の2試合連続ゴールで先制。後半7分にマテウスが移籍後初得点となるFKでリードを広げると、同23分にマルコスジュニオールがPKを決めて得点ランク単独トップに立つ今季14ゴール目をマークした。

 疲労からか攻撃が停滞した後半残り10分を除けば、ほぼ横浜Mペースで試合を進めた会心のゲーム。中盤の要の扇原貴宏が「相手を気にせず、自分たちのサッカーで勝てる自信があった」と振り返れば、日本代表DF畠中槙之輔も「自分たちのやるべきことをやり、相手に好きなことをやらせなかった。今はポジティブなベクトルが相手の方に向かっている」と充実感を漂わせる。

 「スタートからストロングな部分、マリノスらしいパフォーマンスを見せた。最後まで走り続けた一人一人の選手が誇らしい。この時期は結果が大事になってくるが、それ以上に内容を大事にしている」とポステコグルー監督。 2004年以来のリーグ制覇へ残り5試合。 優勝争いは鹿島、FC東京との「3強」に絞られつつあり、最も勢いに乗るのが6戦負けなしの横浜Mだ。指揮官は常々「自分たちのサッカーができれば、どこも止めることはできない」と話しており、シーズン最終盤へさらに自信を深める一勝となった。

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