鈴木竜生、トップ争い展開も最終周のオーバーテイクに泣く。優勝はダラ・ポルタ/MotoGP日本GP Moto3決勝

 MotoGP第16戦日本GP Moto3クラスの決勝レースがツインリンクもてぎで行われ、ロレンツォ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)が優勝。鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は終盤まで2番手を守りながらラストラップでポジションを落とし、悔しい4位フィニッシュとなった。

 予選日は雨が落ち、やんだあとも曇天が立ち込めていたツインリンクもてぎ。決勝日は雲は多めながら天候は晴れてドライコンディションとなり、気温は24度、路面温度は32度と今週末では最も暖かくなった。

 なお、日本グランプリへワイルドカードとしてエントリーしていた長谷川聖(Team Anija Club Y’s)は、3回のフリー走行でそれぞれトップタイムから107%以上のタイムを記録できず、レギュレーションにより予選へ進めずに初めての世界選手権挑戦を終えている。

 いよいよ迎えた決勝レースのスタートで、好スタートを切ったのは3番グリッドスタートの鈴木だった。鈴木はトップで1コーナーに飛び込むと、レースをけん引。オープニングラップの3コーナー、そして5コーナーへ向かうストレートではクラッシュが発生したが、レースには影響はなく続行されている。

 鈴木はそのままオープニングラップをトップで通過。2番手にアロンソ・ロペス(Estrella Galicia 0,0)、3番手にマカー・ユルチェンコ(BOE Skull Rider Mugen Race)が続く。1周目を終えて佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)は14番手、鳥羽海渡(Honda Team Asia)は16番手、小椋藍(Honda Team Asia)は17番手。山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)、真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)は後方につける。

 レースリーダーの座を維持し続ける鈴木。2番手以下は依然として数珠なりの状態で差はわずかだ。しかし6周目を迎えるころには、徐々にトップの鈴木、アルベルト・アレナス(Sama Qatar Angel Nieto Team)、セルジオ・ガルシア(SKY Racing Team VR46)、アラン・カネト(Sterilgarda Max Racing Team)、ポイントランキングトップ、ダラ・ポルタなどによってトップ集団が形成され始める。

 9周目、2番手に浮上していたダラ・ポルタが鈴木を交わしてトップに浮上。その翌周には鈴木がトップを奪い返そうとダラ・ポルタに仕掛け、激しいトップ争いを繰り広げる。2番手の鈴木は僅差でダラ・ポルタを追い、一方ですぐ後方にはガルシアなど3番手以下のライダーたちが迫る緊張感あふれる展開が続く。

 14周目、トップ集団を走っていたカネトが4コーナーでオーバーラン。ここでカネトは大きく順位を落とし、表彰台争いから脱落することになる。

 ダラ・ポルタの後方につけ、2番手を走行していた鈴木は17周目、ダラ・ポルタにオーバーテイクを仕掛ける。しかしこのときはトップを奪還するにはいたらず、再び2番手にポジションを戻した。

 トップがダラ・ポルタ、2番手が鈴木のままレースはラストラップを迎える。ここまで、ダラ・ポルタとトップ争いを繰り広げていた鈴木だったが、最終ラップのS字カーブひとつめでアレナスに交わされ、3番手に後退してしまう。

 3番手となった鈴木は90度コーナーでアレナスに挑んだ。イン側にマシンを振る鈴木。しかしアレナスからポジションを奪い返すことはできない。続くシケインの切り替えしでは、鈴木のすぐ後方に4番手に浮上していたセレスティーノ・ビエッティ(SKY Racing Team VR46)が迫っていた。ビクトリーコーナーまでに鈴木の前に出たビエッティに対し、鈴木はそのポジティブを取り戻すことができなかった。トップ集団はそのままメインストレートへ向けて加速していく。

MotoGP日本GP Moto3クラス ゴールシーン

 日本GPを制したのはダラ・ポルタ。2位はアレナス、そして最後の勝負で3位と奪ったのがビエッティ。鈴木は最後まで好レースを見せながら、最終ラップの最終盤に交わされて悔しい4位となった。

 佐々木は16番グリッドからポジションを上げて13位でフィニッシュ。14位には小椋、15位にはワイルドカード参戦の山中が続き、鳥羽は15番スタートから後退してしまい17位、真崎は20位でレースを終えている。

 鈴木は力強いレースを展開しながら惜しくも表彰台を逃し、5名の日本人ライダーたちにとっても厳しい母国グランプリとなった。

MotoGP日本GP Moto3クラス表彰台

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