【松崎順一の昭和プロダクト考古学】ビクターテレビ (AUDIO/VIDEO/INNOVATOR) カタログ

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ビクターはフリフリQでテレビにポップな世界観を創り出した。

家電の中ではラジカセに続き、何かとユニークな製品が多く存在するテレビ。筆者が持っているテレビのカタログも数多く所蔵していて、テレビのカタログだけで本が一冊できそうな感じだ。

でも、テレビはやはり現物を所蔵している方が好きで、ファクトリー(筆者の仕事場をこう呼ぶ)にも小型のテレビを中心に何十台かが保管されている。ほぼブラウン管テレビのため、多くの場所を占領しているが、以前紹介したピエドラなど実物を見ている方が楽しいのだ。

筆者のブラウン管テレビの楽しみ方は、ビデオやDVDをビデオトランスミッターという装置でUHF電波に変換して、昔のテレビで受信する方法だ。UHFが受信できるテレビであれば、結構簡単に見ることができる。もう一つの方法はRFコンバーターを使う方法で、有線接続になるがこちらも有効だ。

さて今回紹介するカタログは、1971年頃に発刊されたビクターの白黒テレビのカタログ。何と言っても今でも色褪せない、フリフリQが掲載された総合カタログだ。フリフリQは単品カタログもあるが、この時代を俯瞰するには総合カタログが良いと思い、紹介する。

いきなりカラフルポップな装いの外国人女性とフリフリQ。この年代のビクターのカタログは上部の黒帯にタイトルがあるレイアウトで、表紙のシンプルさがとても時代を感じさせてくれます。

それにしてもフリフリQは映像が出ていないと、昭和の時代の宇宙飛行士のヘルメットを彷彿させてくれます。

さて中はどうなっているだろう。開くと飛び込んでくるのは、赤色のフリフリQが佇むポップでモダンなインテリア。壁の木目が時代を感じるがテーブル、椅子、スタンドライト、カレンダー、マガジンラックと、どれをとってもおしゃれでナイスな空間だ。

そしてフリフリQが製品紹介のトップを飾る。9インチと小型なので移動も楽だと思うし、ポータブルテレビとして活用されていたと思っている。カラーは3色でどの色も良い感じだ。

ちなみにフリフリQは置いて見るのがスタンダードな使い方だが、チェーンを使って天井から下げて使うことも出来た。まさにその状態こそ、フリフリなのだ。

続いて登場するのは、当時の小型テレビのラインナップだ。オーソドックスな14インチのテレビももちろんあるが、12インチの12T-41NはフリフリQとは全く別のおしゃれなテレビだ。イタリアのヴリオンヴェガにも負けないカッコ良さを感じる。さらに、テレビを置いた空間の背景もイメージを彷彿させている。

次のページは、ブラックボディの12インチのテレビ2台だ。12T-32は3色のボディカラーがあり、ライトイエローが気になる。もう一台は、少し前のデザインで数年でデザインが進化していく様子が一つのカタログから分かる。

最後のページは、おきまりのスペック表になっている。
気になったのは、ちょっとしたキャプション「Nowな感覚のボディに包まれたキャビネット内部は、ごきげんなハードメカの数々で装備されています」。
ビクターの小型テレビはおしゃれ派のためのテレビなのだ。
 
出典: 日本ビクター株式会社 テレビ カタログ  (1971年/推定)

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