【MLB 優勝決定S】ヤンキース、世界一へ課題は…コール獲得&チャップマン残留をNYメディア“厳命”

ヤンキースのアーロン・ブーン監督【写真:Getty Images】

アストロズに敗れてワールドシリーズ進出ならず、FAのコール獲得は不可欠

■アストロズ 6-4 ヤンキース(優勝決定シリーズ・日本時間20日・ヒューストン)

 ヤンキースは19日(日本時間20日)、リーグ優勝決定シリーズ第6戦でアストロズに4-6で敗れ、2勝4敗で敗退が決まった。9回にルメイヒューの2ランで同点に追いついたものの、その裏に守護神チャップマンがアルトゥーベに痛恨のサヨナラ被弾。10年ぶりのワールドシリーズ進出はならなかった。

 地元メディアは、早くも来季に向けての「課題」を提示。FA市場で超目玉のゲリット・コール投手(アストロズ)を獲得することを“厳命”したほか、この試合でサヨナラ弾を浴びたチャップマンを残留させるべきと伝えた。

 ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」は、第6戦終了から約1時間で早々に特集記事を掲載。「ヤンキースのオフシーズンにおける13の優先事項」とのタイトルで、来季に向けての「課題」を掲げている。

 真っ先に挙げられているのが「ゲリット・コールにお金をつぎ込む」。記事では「コールは市場において群を抜いてベストな投手となることだろう。昨年、ヤンキースはパトリック・コービンに対して6年1億4000万ドル(約152億円)の契約を提示したくなかった。コールは更に金額がかかることになるが、その価値はあることだろう」と指摘。昨オフ、ヤンキースは左腕コービンの獲得を目指すと見られていたが、最終的にはナショナルズが大金をつぎ込み、契約にこぎつけた。今オフにAFとなるコールの新たな契約は、7年総額2億4500万ドル(約265億6300万円)という投手史上最高額に達する可能性があると報じられているが、それでもヤンキースは獲りにいくべきだという。

 幼少期にヤンキースの大ファンだったコールは、高校3年生の時にヤンキースから1巡目指名を受けたが、大学に進学。2017年オフにはトレードの目玉となり、ヤンキースも獲得に動いていたが、アストロズに移籍していた。「ヤンキースは彼については馴染みがあるわけで、2008年に1巡目で彼をドラフトしたわけだが、結局、彼はUCLAに行った。そして彼がパイレーツに在籍していた時、ヒューストンより前に獲得しようとした。コールはヤンキースを応援しながら育ったわけだが、報道によると彼は西海岸で生活することを好んでいる」。コールを獲得できれば、ヤンキースにとっては「3度目の正直」となるが、果たしてどうなるだろうか。

チャップマン残留も不可欠「ヤンキースは彼を他の場所に行かせるわけにはいかない」

 プレーオフを勝ち抜くためにも先発投手の補強は必要不可欠で、同メディアはさらに「しかし残りの先発投手マーケットも蔑ろにしてはいけない」という項目を作り、FAとなるマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)、柳賢振(ドジャース)、オプトアウト(契約破棄)の権利を持つスティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)らの動向にも注視すべきと言及。コールが獲得できなくても、補強候補は他にいるというのだ。

 さらに、ジャッジ、サンチェス、トーレスら「若手スター選手との契約延長を検討する」「CC・サバシアにフロントオフィスの役職を与える」といった項目に加え、「アロルディス・チャップマンとの状況を解決する」も挙げられている。今季終了後にオプトアウトの権利を持つ守護神は、2年総額3000万ドル(約32億5300万円)を残して契約を破棄する可能性が高いと指摘。リーグ優勝決定シリーズでは最後にサヨナラ弾を浴びたものの、今季のチャップマンはレギュラーシーズンで60試合登板、2勝3敗37セーブ、防御率2.45という好成績を残していた。

 記事では「2019年に奮闘した彼は、オープンマーケットにおいては、それを遥かに上回る金額を得ることにもなるだろう。ヤンキースは彼を他の場所に行かせるわけにはいかない」として、チャップマンを残留させるべきだとキャッシュマンGMに“厳命”。オプトアウトの前に新たな契約を結び直す可能性もあるかもしれない。

 田中将大投手は今季も奮闘したが、ワールドシリーズには届かなかった。ヤンキースは来季、どのような体制で2009年以来の世界一を目指すことになるのか。あと少しのところまで迫っているだけに、最後の“詰め”がポイントになりそうだ。(Full-Count編集部)

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