<レスリング>ベラルーシの“高谷惣亮襲撃男”がインド選手のコーチへ

ムラド・ガイダロフ(ベラルーシ)

 インドのメディアが報じたところによると、インドは来年の東京オリンピックへ向け、出場枠を取った86kg級銀メダルのプニア・ディーパックと57kg級銅メダルのラビ・クマールの2選手の専属コーチとして、2008年北京オリンピック銀メダリストのムラド・ガイダロフ(ベラルーシ=オリンピック時は銅メダル)を決め、早ければ来週にも契約するという。

 ガイダロフは素行の悪さで有名な選手。オリンピック3度優勝のブバイサ・サイキエフ(ロシア)とウォーミングアップ場での乱闘を目撃している日本コーチもいる。2014年世界選手権(ウズベキスタン)74kg級では、高谷惣亮選手に負けた腹いせに、次の試合にそなえて休んでいた高谷選手の頭に熱湯を浴びせてきた。

 その後の敗者復活戦でラフ攻撃を繰り返して反則負けとなり、順位はく奪へ。直後に行われた別の選手の試合の判定に抗議して審判席に殴り込み、止めに入った審判や世界レスリング連盟(UWW)のミカエル・デュソン事務総長に暴行した。

 日本からの報告・抗議も受けたUWWは、この問題を重視。暴挙に対し「3年間の出場停止と罰金1万スイスフラン(約135万円)」を科した。当時34歳であり、このまま引退も予想されたが、処分が終わって今年復帰。4月にエストニアで行われた大会の79kg級で優勝し、世界選手権にも出場した(初戦敗退)。

 39歳という年齢からして、今後はインド選手のコーチに専念と思われるが、3年間の謹慎で人間が変わったか?

 インドの男子フリースタイルは、57・65・86kg級の3階級でオリンピック出場枠を取った。

© 公益財団法人日本レスリング協会