【「ハル」連載・前編】中谷美紀が笑顔で宣言!「大変なビジネス用語の嵐をチームワークで乗り越えていけるような現場にしたい」

【「ハル」連載・前編】中谷美紀が笑顔で宣言!「大変なビジネス用語の嵐をチームワークで乗り越えていけるような現場にしたい」

中谷美紀さん演じる大手総合商社に勤めるシングルマザーの海原晴が、思いもよらない方法で商社を取り巻く諸問題を解決していくドラマ「ハル ~総合商社の女~」(テレビ東京系)。「楽しく仕事がしたい!」をモットーに、ラーメン店の再建から海外の病院の買収まで、あらゆる業界の問題に向き合っていくハルの姿に元気をもらえる爽快ヒューマンドラマです。

インターネットTVガイドでは、本作品のインタビュー連載を前・後編にわたって敢行! 前編で登場していただくのは、主役の晴(ハル)を演じる中谷美紀さん。演じる役柄や、ハルの元夫・和田寿史役の藤木直人さんについて、また仕事への思いなどさまざまなお話を明かしてくれました!

──今回演じられるハルは、中谷さんから見てどのような人物に見えますか?

「ハルはとてもフェアな考え方の持ち主だなと思います。それは、仕事ができる人、できない人など関係なく、どんな人にも同じように高いレベルの要求をするんですよね。だからこそ、危ない橋を堂々と渡る人物でもあります。ただ、その分自分で責任を取る覚悟があったり、シングルマザーであるにもかかわらずリスクを取れるところが、ハルの欠点でもあり、魅力でもあるかなと思っています」

──そんなハルを演じるにあたり、どんな部分を意識して演じていきたいですか?

「惰性で仕事をしている暗く停滞した人々の中で、パッと見た瞬間に、明るいキャラクターに見えたらいいなと思って、口角を上げる練習をしています(笑)。セリフにビジネス用語が多いので、ついしかめっ面になりそうなのですが…問題が起これば起こるほど楽しくてしかたないということが、口角を上げることで表現できたらいいなと思っています」

──これから撮影が始まるということで、どんな現場にしたいですか?

「セリフに難しいビジネス用語がたくさん出てくるようなので、それを笑顔で言えるような現場にしたいなと(笑)。共演者の皆様のお力を借りながら、この大変なビジネス用語の嵐をチームワークで乗り越えていけるような現場にしたいです!」

──そんな現場を大切にされている中谷さんが、主演の作品を演じられるにあたり心掛けていらっしゃることがあれば教えてください。

「新鮮な気持ちを失わないようにしていますね。楽な場所に落ち着いてしまうのではなく、毎回新たな気持ちを持つように心掛けています」

――共演者には、「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS系)以来の共演となる藤木さんがいらっしゃいます。久々の藤木さんとの共演はいかがですか?

「藤木さんはとても優しい方ですが、どこかSっ気があってツッコミ上手というか(笑)。周囲の人々の動きがよく見えているタイプの方で、誰よりもスケジュールをきちんと把握なさっているので、頼りがいがありますね。ドラマの中の関係性としては、元夫婦なのですが、ビジネス上の付き合いもあるので…そのあたりの親しさと、ある程度線引きをした仕事場での顔をお互いにうまく使い分けることができたらいいなと思います。そういえば、藤木さんって『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)でも“部長”って呼ばれていましたよね? 今回も部長だから、部長キャラなんだなと思いまして(笑)」

──今回の藤木さんの部長っぷりも楽しみですよね。ドラマのサブタイトル“~総合商社の女~”にちなみ、もしご自身を表すとしたら中谷さんは何の女になりますか?

「旅する女でしょうか。旅が好きなんですよね。まとまったお休みの日に行くのですが、日本国内にはまだ見ぬ美しい場所がたくさんあるので…さまざま訪れてみたいなと思っています」

──次に行きたい場所はありますか?

「死ぬまでに訪れてみたいのは、和歌山県の熊野古道ですね。まだ足を踏み入れたことがないんです。あと、何度でも訪れたいのはアートの島で有名な香川県の直島です。私が好きな李禹煥(リ・ウーファン)さんという画家の方の美術館があるので」

──ハルのセリフで「楽しく仕事がしたい」というものがありますが、中谷さんご自身は、どんな思いを持ちながら仕事をされていますか?

「私自身、仕事が楽しいと思えるようになったのは最近なんです。仕事を始めたばかりの頃は、楽しいというよりも苦しいという気持ちの方が先に立っていましたので。でも、それはどんな職業についても、初めは苦しいものですよね。私も何をやってもできなくて、怒られてばかりでしたので…。特にこの業界は、撮影が終わらなければ、朝から朝まで時間制限なく働くのが当たり前な状況でしたので、苦しかったです。しかし、最近仕事をする時は、ハルと同じように『楽しく仕事がしたい』と思えるようになりましたし、全ての瞬間において、例えつらい状況の中でも喜びを見いだすようにしています」

──中谷さんが考える、仕事の楽しさとはどういったものでしょうか?

「やはり、ルーティンの中で惰性で仕事をしてしまうと楽しめません。ですから、新たな発見をするようにしたり、今までできなかったことに挑戦したりしています。安全な場所にとどまっているのは退屈だと考えているので、苦しい時もあるのですが…だからこそ楽しいというのもあるのかもしれないですね」

──視聴者の中には、仕事に対して前向きになれなかったり、やる気が出なかったりする方もいらっしゃると思います。そんな皆さんに、中谷さんからアドバイスをいただければと思います!

「私もそうなんですが、何かうまくいかなかったり、気持ちが上がらなかったりすることを他人や制度、環境のせいにしたりしたくなる時ってありますよね? でも、振り返ってみると結局つまらなくしているのは自分なんだなと思うんですよね。かつて『ライフ・イズ・ビューティフル』という映画がありましたが、その中で、ホロコーストのこれから死にゆく状況においても、自分の子どもを楽しませるために本当に前向きに生きていた人々の姿勢を見ると、いかなる場所でいかなる環境下でも、自分が楽しいと思えば楽しいんだなと。インドで貧しい人々の屈託のない笑顔に触れた際にもそう感じましたし。少し気分が落ち込んでしまう時には、ちょっと考え方を変えてみるといいかもしれないですね」

【プロフィール】


中谷美紀(なかたに みき)
1976年1月12日生まれ。東京都出身。ドラマ「あなたには帰る家がある」(TBS系)、「あの家に暮らす四人の女」(テレビ東京系)、連続ドラマW 東野圭吾「片想い」(WOWOW)、「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS系)、映画「繕い裁つ人」、「渇き。」、「清須会議」、舞台「黒蜥蜴」、「猟銃」、「メアリー・ステュアート」などの話題作に出演し、多方面で活躍している。2020年に「Followers」がNetflixで配信予定。

【番組情報】


ドラマBiz「ハル ~総合商社の女~」
10月21日スタート
テレビ東京系 午後10:00~10:54 (初回15分拡大)
10月25日スタート
BSテレ東 金曜 午後9:00~9:54 (初回15分拡大)

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当)

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