島田人 Shimadajin File #95

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自分たちの手で、自然豊かな里山を盛り上げたい

菊川の里ごりやくの会
会長 望月裕子(もちづきゆうこ)さん
(菊川)

地元の有志20人でつくる地域活性化団体「菊川の里ごりやくの会」で、会長を務める望月さん。仲間と一緒に「茶の実オイル・あかりアートin菊川の里」を開き、観光客と住民との交流の場をつくっています。

■地元のためにできること
望月さんは20年程前、のどかな土地で趣味の陶芸を楽しむため、菊川地区に移住しました。しかし、当時と今とでは、里山の景色が大きく変化してしまったといいます。
「引っ越してきた頃は、たくさんの茶農家さんがいて、地域に活気がありました。でも年々、耕作放棄地が増えていき、景色も変わってしまいました。星もきれいに見えるいい場所なのに、寂れていくのが切なかったです。でも、ただ嘆くだけじゃいけないと思い、地域を明るくするために、何かできることはないかと考えました。そして7年前にできたのが、地元有志の集まり『菊川の里ごりやくの会』です。この辺りは、旧東海道の宿場町だったこともあり、遠方から多くの人が訪れます。会では、観光客と住民とが楽しく交流できるきっかけづくりにと、ウオーキングイベントや、ものづくりのワークショップなどを催しています」

■茶の実オイルの可能性
里山の交流人口に、一役買う活動を始めた望月さん。ある日、茶畑に落ちている実に着目し、これを生かす取り組みを仲間と考えました。
「茶の実は、茶葉を生産する農家にとって不要なものですが、殻から取り出した種を潰せば、油をしぼり出すことができるんです。そこで、これを生かしたイベントを開こうと、会員と一緒に『茶の実オイル・あかりアートin菊川の里』を企画しました。あかりアートとは、さまざまな趣向を凝らして作られた灯籠のこと。その一部の燃料に、茶の実オイルを使いました。5年前から始めたイベントですが、県外からも多くの来客があり、毎回盛り上がっています」

■周りを知り、古里を知る
より多くの人が、地元に誇りを持つことで、地域の魅力を発信する力が高まると望月さんは話します。
「普段生活しているだけだと、地元の良さに気付く機会って、なかなか訪れないと思います。他の地域のことを知り比較することで、初めて、自分たちが住んでいる場所の良さに気付くんじゃないでしょうか。だからこそ、外から遊びに来てくれる人たちと地域の皆さんとが、交流している光景を見て、嬉しい気持ちになるんです。これからも、さまざまなイベントを企画して、多くの人に足を運んでもらい、地元の人も楽しみながら誇りを持てる、魅力ある場所にしていきたいですね」
望月さんたちの思いが形となったあかりアート。里山には、茶の実がもたらす優しい光が溢れていました。