筋肉少女帯、新アルバム『LOVE』を携えた東名阪ツアーが派手に開幕! 尽きることのない表現欲求!

10月20日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて、筋肉少女帯が〈筋肉少女帯「LOVE」リリース直前LIVE!!新曲から定番曲まで! LOVE六本木!!〉と題したライヴを開催した。

10月9日より各主要配信サイトにてバンド初の先行ダウンロード配信され、11月6日にCD発売となる通算20枚目のニュー・アルバム「LOVE」。このリリースに伴う東名阪ツアー初日の六本木で、オーディエンスは筋少が織り成す「LOVE」の技をいち早く体感することとなった。

11月の東名阪4公演を予備知識なく楽しみたい人のためにも、ここで具体的な演奏内容を描写することは控えたいが、この日のライヴで明らかだったのは、30年以上の活動歴を誇る筋少が、キャリアのこの段階においても尚、攻めの姿勢を崩していないという点だ。“筋少史上初、メンバー本人による衝撃のサウンド・チェック”となった「ハリウッドスター」で幕を開けた本公演は、名場面の連続。大槻ケンヂ(Vo)、橘高文彦(G)、本城聡章(G)、内田雄一郎(B)の息の合ったプレイはさすがの一言に尽きる。大槻の描く不思議な歌詩世界を、抜群の演奏力を誇る楽器隊が彩るという構図は、いつ観ても刺激に富んでいる。

印象深かったのは、この「LOVE」の収録曲が観客にお馴染みの旧曲と同じくらいの興奮をもたらしていたという点。本作リリースにあたり、「人を煙に巻く言葉を今回のアルバム・タイトルにしたかった」と大槻は語っているが、タイトルを見ただけで思わず笑ってしまうような曲や、深読み必至の妖しい曲まで、実にバラエティ豊かなサウンドがオーディエンスを魅了していた。特に、先行公開されたMVが話題の「ボーン・イン・うぐいす谷」の狂気とユーモアは強烈。「ラブ・ホ・ホ・ホー ホーケキョ」なるインパクト絶大の歌詞に合わせて、観客が体を揺らす光景が実にいい。今後はぜひ、この振り付けをマスターしてからライヴに臨みたいものである。

新曲初披露の貴重な機会となった一方で、筋少のライヴには欠かせない定番曲の数々もフロアの熱を存分に高めていた。「日本印度化計画」や「ディオネア・フューチャー」などの必殺チューンが盛り上がらないはずもない。要所要所で意表を突くからこそ、こうした新旧の定番曲も輝きを増す。新譜「LOVE」からの楽曲も、近い将来、こうした名曲と同じ領域に達するのだろうと思わせる演奏だった。ライヴの醍醐味を十二分に心得ている彼らだからこそ可能な魅せ方。筋少の尽きることのない表現欲求を称えたくなった。

「LOVE」リリースツアー、残るは11月の名古屋、大阪、恵比寿、渋谷の4公演である。各会場、彼らがどんな愛で我々を煙に巻いてくれるのか、期待は膨らむばかり。この先も筋少流の「LOVE」を全身で受け止めたいものだ。また、この日の公演で、筋肉少女帯は近年恒例となっている12月23日の恵比寿LIQUIDROOM公演の開催を発表している。今後の彼らの動きからも目が離せない。

TEXT BY 志村つくね PHOTO BY コザイリサ

© 有限会社ルーフトップ