神奈川県警捜査資料コピーを紛失、盗難車から見つかり発覚

神奈川県警本部

 神奈川県警サイバー犯罪捜査課は21日、詐欺事件などの捜査資料のコピー64枚を紛失する事案があったと発表した。同課は当初、紛失自体に気付いておらず、放置された盗難車からコピーが見つかったことで発覚した。クレジットカードの番号など39人分の個人情報が記載されていたが、悪用された形跡はないという。

 同課によると、捜査資料には容疑者の供述や犯行状況のほか、容疑者がパソコンに保存していた他人名義のクレジットカードの番号や氏名、住所、電話番号などが記載されていた。

 警視庁が8月23日、東京都杉並区内に放置されていた盗難車のトランク内からコピーの入った紙袋を発見。盗難車は県内で盗まれたもので、県警は同26日に警視庁から連絡を受け、初めて紛失を認知した。

 県警の調査で、同課の50代の男性巡査部長がコピーしてファイルに収めたことが判明した。巡査部長は5月29日、捜査資料が保管されていた会議室で出張の準備をし、出張先から戻った翌30日にJR関内駅周辺の飲食店で同僚4人と酒を飲んだ後、帰途にリュックサックをなくしていた。

 リュックサックは翌31日にJR桜木町駅周辺の道路脇で発見され、交番に届けられた。リュックサック内にコピーはなく、何者かに現金約1万2千円とともに抜き取られた可能性があるという。県警の調査に、巡査部長は「ファイルをリュックサックに入れた記憶はないが、出張の準備の時に一緒に入れたかもしれない」と話している。

 同課の杉本彰課長は「大変なご迷惑と不安を与えて申し訳ない。今後、課員に対し指導、教養を徹底し、再発防止に努めたい」と謝罪した。

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