女子生徒の理系進学、保護者の男女平等感が強く影響

日本は世界各国の中で理系女子の割合が低い国として知られているが、男女平等に対する意識が低い保護者ほど女子の理系進学に否定的なことが、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の横山広美教授を中心とした研究グループの調査で分かった。一部の保護者は理系の中で原子力工学、土木学、畜産学など特定分野に否定的なイメージを持っていることも明らかになった。

研究グループは東京大学、滋賀大学、名古屋大学、総合研究開発機構のメンバーで構成された。大卒以上の子どもを持つ保護者1,236人を対象に、男女平等感や性役割に対する考え方を測定、女子が専門分野に進学することを希望した場合、どの程度賛成するかを聞いた。

それによると、男女平等意識が強く、性役割を重視しない考えの保護者ほど女子がどの分野への進学を希望しても賛成する傾向が強く、性役割を重視する保護者は否定的な見解を示しがちであることが分かった。

保護者の約40%はどの分野であっても「本人が希望すれば賛成する」と答えたが、工学系全般を「女性に向いていない」、獣医学・畜産学・看護学を「重労働」、薬学・医学・歯学を「学費が高い」として否定する声が見られた。特に原子力工学、土木学、畜産学の3分野で否定的な声が強かった。

参考:【東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構】女子生徒の進学を阻む要因は? -保護者の男女平等度や性役割態度、理系分野に対するイメージ分析から見えるもの-

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