水原希子が「クィア・アイ in Japan!」のガイド役を通し、自らもアップデート

水原希子が「クィア・アイ in Japan!」ガイド役で自らもアップデート

フード&ワイン担当のアントニ、インテリア担当のボビー、美容担当のジョナサン、カルチャー担当のカラモ、ファッション担当のタンから成る“ファブ5”が活躍するリアリティー番組「クィア・アイ」。彼ら5人がそれぞれの専門知識を生かし、悩める人たちを“新しい自分”へと導く同番組が日本を舞台に制作され、「クィア・アイ in Japan!」として11月1日から配信開始。ガイド役として番組に参加した水原希子に、ファブ5の印象や撮影の裏話を語ってもらった。

── まずは、ファブ5の印象を教えてください。

「ジョナサンはおちゃらけキャラのムードメーカーで、一緒にいて楽しい人。ボビーはすごく物知りで頭もよく、アジアのカルチャーに興味を持ってくれています。タンは心が温かくて、スウィートで、笑顔がすてきですね。どんな相手にもフラットで、初めて会った瞬間から『ハ~イ!』という感じで受け入れてくれました。カラモはすごく真面目だけどおちゃらけた天然キャラでもあって、一言では言い表せない。いい意味で、いろんな顔を持っている人です。そして、アントニはとにかくイケメン(笑)。優しく、周りに気を使えるのと同時に、自分の意見もしっかり持っている。苦労なさってきた人なので、自分の過去についてなど、いろいろなお話をしてくれました。間違いなく、彼はモテますね(笑)」

──「クィア・アイ in Japan!」に参加した感想は?

「通常の『クィア・アイ』で舞台になっているアメリカと日本ではカルチャーも言葉も違いますから、最初はものすごく緊張しました。私にガイド役が務まるのかなって。日本を紹介しつつ、文化の違いなどを教えていく大事な役目ですし。でも、日本で暮らしているとはいえ、それだけじゃ分からないことってありますよね。そういった意味では、私自身も日本について学び、日本と向き合う機会になったと思います。あとは、ぶわ~っとしゃべるファブ5の中に飛び込まなきゃいけない躊躇もあって(笑)。最初のうちはタイミングが難しかったですね。次第に打ち解け、彼らが私の性格を分かってくれる中で、会話のキャッチボールもスムーズになっていきました」

── “ファブ6”になっていましたよ。

「そう見えていたらうれしいです! 本当に不安だったので。スタッフの方々にも助けられました」

── 全4話中、最も印象に残っているエピソードは?

「全部が印象的ですけど、看護師をしているヨウコさんのエピソード(第1話)には感動しました。タンがスタイリングをする場に立ち会い、彼女の変化を間近で見られたのもよかったですね。あらためて、ファッションの力というものを感じられた気がします。あと、第2話に登場する寛くんとは、個人的にも知り合いになれたのがうれしかったです。(新宿)二丁目に行くのが苦手だとおっしゃっていたので、私の提案で彼を二丁目にお連れして。私自身のパーソナルな憩いの場というか、よく行くお店を紹介させていただいたこともあって緊張しましたが、うまくいってよかったです。この間お見かけした時も、すっかり二丁目になじんでいらっしゃいました(笑)」

── パーソナルな部分を番組に持ち込むこと自体、珍しい行為なのでは?

「そうですね。『クィア・アイ』ってある種のドキュメンタリーですから、日本のテレビ番組の収録とも感覚がちょっと違って。ファブ5のみんなも、ありのままの自分で番組に出ているんです。それぞれ違うキャラクターで、それぞれ違うことを思うまま口にする(笑)。それがリアルだし、それでいいんだなって。私自身も、番組の中で自分を表現することを求められている気がしました。なので、衣装も自分で用意したものを着させていただいたりもして。いつもの自分よりもさらにアップデートできた自分を表現できたかなと思っています」

── 「クィア・アイ in Japan!」に参加したからこそ見えてきた「クィア・アイ」の魅力とは?

「最初は本当に、日本を舞台にすることすら想像できなくて。特に今の時代、分かり合えるのかなって。ゲイであることや女性のボディータイプについてなど、どんな人もみんな美しいというメッセージを企業が打ち出していたりはするけど、日本では個人の考えがまだまだ追いついていない部分もある気がします。だから、カルチャーショックみたいにならないかなって。でも、決して日本の文化を否定してほしくなかったし、ファブ5に日本を理解してほしかったんです。ご覧いただければ分かるように、なんの心配もなかったんですけど(笑)。国が違ってもみんな同じ悩みを抱えているし、みんなコンプレックスを抱えているし、生きることに苦労している。みんな同じ人間で、ちょっとした理解と愛と励まし合う心があれば、言葉はいらない。国の壁は自分が思っている以上にないものなんだなと思いました。痛みを共有し合える美しさみたいなものは今までの『クィア・アイ』でも見てきましたけど、それをさらに違う次元で見せてくれるのが『クィア・アイ in Japan!』。自分が日本で育ったからこそ、そう感じた部分は大きかったです」

【プロフィール】


水原希子(みずはら きこ)
1990年10月15日生まれ。米・テキサス州出身。兵庫県神戸市育ち。ファッションモデルとして支持を集める一方、女優としても活躍。出演作に、映画「ノルウェイの森」(2010年)、「進撃の巨人」(15年)、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」(17年)、ドラマ「グッドワイフ」(TBS系/19年)などがある。

【番組情報】


Netflixオリジナルシリーズ「クィア・アイ in Japan!」
11月1日独占配信スタート

Netflixでシーズン1~4を独占配信中のリアリティー番組「クィア・アイ」の、日本が舞台のスペシャルシーズン。ファビュラスな5人、通称“ファブ5”が、自信を失った人たちの心と外見を“改造”して、魅力的に生まれ変わらせていく。日本版では、水原希子がガイド役として、渡辺直美が特別ゲストとして“ファブ5”をサポート。

取材・文/渡邉ひかる 撮影/蓮尾美智子

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