大村で再選の園田市長へインタビュー 市民巻き込み町づくり

園田裕史さん

 〈任期満了に伴う大村市長選で無投票再選を果たした。2期目の課題や抱負を聞いた〉

▼無投票での再選をどう受け止めるか。
 非常に重く、強く責任を持って(2期目に)挑まなければと改めて感じている。この4年間、市民や議員、企業、団体など多くの人に支えられてきた。今後、市議会などとも建設的な議論を重ねながら、「オール大村の街づくり」を進めていきたい。

▼V・ファーレン長崎の新練習拠点誘致について。
 V長崎のホームタウン誘致は、国の成長戦略に沿った取り組みという認識だ。練習拠点があることで子どもたちは「自分もプロに」と夢を抱くし、そうした刺激は教育に生かされる。教育が良い町は新たな定住につながる。高齢者もスポーツを通じて健康寿命の延伸や生涯学習につながる。スポーツツーリズムに生かせば観光客も誘致でき、新たなビジネスも生まれるかもしれない。こうしたスポーツを通じたプラスの連鎖をイメージしている。

▼待機児童の解消について、どう取り組むのか。
 新たな施設の開設も控えており、来年4月以降、一定数減らせると思っている。せっかく人口も増えているため、保育士の確保なども含めて状況を改善し、さらに子育てしやすい町を実現していきたい。

▼新幹線を生かした町づくりなど大型事業が続く。
 新幹線の開業で大村市は空港、高速道路、新幹線と高速交通の“三種の神器”がそろう。県全体をつなぐハブとしての役割と同時に、(本県への)統合型リゾート施設(IR)誘致が実現すれば、アジアの玄関口としての役割も加わってくるだろう。新幹線が暫定開業する2022年度は大村市の市制施行80周年の節目でもあり、役所が開業に向けた町づくりの音頭をとり、市民を巻き込みながら進めていきたい。投資がかさむ大型事業については中身を議論し、最も合理的な方法とすることで財政出動を抑える。税収確保や大村ボートの利益拡大にも力を入れる。

▼4年間の抱負と将来のビジョンを。
 大村市はこれまで何となく「住みやすい」「良い町だ」と言われるだけだった。これからの4年間はそこから脱却し、次のステージに進むことが重要。今の状況に甘んじていると、自治体間競争の中でいつか衰退してしまう。大学の誘致や空港の24時間化、新幹線の開業などが結び付いてくると、大村はアジアのリーダー都市になれるし、それだけのポテンシャルがある。それがひいては県全体、九州全体の発展にもつながる。それだけの気概を持って取り組んでいきたい。

 【略歴】そのだ・ひろし 1977年、大村市生まれ。2007年から市議を務め、15年に2回目の挑戦で市長に初当選した。座右の銘は「なせば成るなさねば成らぬ何事も」。趣味はカラオケ。看護師の資格も持つ。

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