打倒・アストロズを目指すヤンキース リンドーア獲得の可能性

2010年から始まる「2010年代」の10年間で一度もワールドシリーズへ進めなかったヤンキース。特に直近5シーズンで3度もポストシーズンでアストロズに敗れており、2009年以来のワールドシリーズ制覇を実現するためにはアストロズを上回るチームを作り上げることが絶対条件となる。そのため今オフは大型補強を実施する可能性が取り沙汰されているが、ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンが補強ターゲットとして挙げているのがインディアンスが誇るスター遊撃手、フランシスコ・リンドーアである。

ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが作り上げたチームは、激戦のアメリカン・リーグ東部地区において2年連続でレギュラーシーズン100勝を達成。162試合の長いレギュラーシーズンを勝ち抜くことができるだけの力を備えたチームであることはすでに証明済みである。その一方で、ワールドシリーズにあと一歩手が届かない状況が続いていることも事実。そうした状況を踏まえ、シャーマンはゲリット・コール(アストロズ)とともにリンドーアの名前を補強ターゲットとして挙げている。

リンドーアは2年後の2021年オフにフリーエージェントとなるが、現在の活躍を続けていけば、総額3億ドルを超えるような大型契約を手にするのは確実。インディアンスの会長兼CEOであるポール・ドーランは、インディアンスの球団規模ではリンドーアとの再契約が難しいことを認めている。よって、ヤンキースが差し出す交換要員次第では、トレードが成立する可能性もゼロではないというわけだ。シャーマンは「リンドーアはヤンキースが必要としているものを全て兼ね備えている。両打ちの遊撃手で、パワーとスピードを兼ね備え、三振は少なく、遊撃守備は素晴らしい。ポストシーズンでの度胸も証明済みだ」とリンドーアを絶賛。リンドーア獲得が実現すれば、この上ない戦力補強となるに違いない。

ヤンキースは、正遊撃手のディディ・グレゴリアスが今季限りでフリーエージェントとなるため、正遊撃手の座は空いている。現時点では、グレイバー・トーレスを二塁から遊撃へ回し、DJレメイヒューを二塁に固定するものと見られているが、今季と同様にトーレスが二塁、レメイヒューが一塁に入れば、リンドーア獲得への障壁とはならない。シャーマンの提言通りにヤンキースのリンドーア獲得は実現するのか。今後の動向に注目が集まりそうだ。

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