【日本S】「ポイントになる」日本一王手の鷹・工藤監督、采配ズバリ 4回に代打長谷川勇で決勝点

ソフトバンク・工藤監督【写真:荒川祐史】

4回1死満塁の場面で、川島に代えて代打の切り札長谷川勇を起用

■ソフトバンク 6-2 巨人(日本シリーズ・22日・東京ドーム)

 ソフトバンクが3年連続日本一に王手をかけた。22日、東京ドームでの日本シリーズ第3戦。同点で迎えた4回に代打・長谷川勇が決勝点を叩き出す犠飛を放つなど、一挙4得点で勝ち越した。その後は自慢のリリーフ陣が巨人打線に反撃を許さず。投打で層の厚さを見せつけ、これでクライマックスシリーズ 1stステージからポストシーズン9連勝となった。

 初回、バンデンハークが亀井に先頭打者本塁打を浴びて先制点を献上。だが、直後の2回にグラシアルがシリーズ2号となるソロ本塁打を放って同点に追いついた。3回にはデスパイネの適時打で勝ち越しに成功。リードを奪った。

 その裏、亀井に2打席連続の本塁打を浴びて再び同点となったが、4回に怒涛の猛攻を浴びせた。内川の左前安打、甲斐の四球でチャンスを作ると、バンデンハークのバントを巨人3番手の戸郷が三塁へ悪送球。満塁となると、ここで工藤公康監督は代打の切り札・長谷川勇を送った。

「点を取れる時にしっかり取るのが1番だと思った。あそこはポイントになるかなというのがありました」と指揮官。早い段階での切り札の起用。長谷川勇が期待に応え、キッチリと左犠飛を放って勝ち越し点を奪った。さらに柳田が押し出し四球、デスパイネがこの日2本目の適時打を放ち、打者9人で4点を加えた。

 先発のバンデンハークを4回2失点で降板させ、その後は石川、甲斐野、モイネロ、森と分厚いリリーフ陣がリードを守り抜いた。DH制のないセ・リーグの本拠地ゲームで左翼デスパイネ、右翼グラシアルの攻撃的な布陣を敷いた。そのグラシアルが同点弾、デスパイネが2安打3打点。工藤監督は「デスパイネは守備も含めて交流戦でもやっているので問題ないと思っていた」と振り返った。

 3連勝で日本一にあと1勝と王手をかけた。それでも、「王手ですけど、何が起こるか分からないのが日本シリーズ。この試合が終わったら、明日の試合。1試合1試合全力で戦うことを考えてやりたいと思います」と工藤監督に緩むところはなし。23日の第4戦で、史上6度目の“スイープ日本一”を決める。(Full-Count編集部)

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