「御用邸のまち、愛着を」 世代超え、天皇陛下即位を祝う

かわいい振り付けで童謡「おつかいありさん」を歌う幼稚園児=葉山町堀内

 「即位礼正殿の儀」と同じ日に開催された式典とコンサートは、御用邸があり、皇室に親しみを抱く神奈川県葉山町民が世代を超え、町ぐるみで天皇陛下の即位を祝う場となった。

 「多くの町民から『天皇陛下と上皇さまにお祝いと感謝を伝えたい』との声が上がり、今日という日を迎えられた」

 主催した実行委員会の柳新一郎委員長(79)は無事の開催を喜んだ。昨年11月に町民有志で実行委を発足して以降、祝賀行事の目玉企画として、ほぼ1年をかけて準備を進めてきた。園児からお年寄りまで幅広い世代が出演し、開催費用も町民の寄付や企業の協賛で賄った。

 小学6年の飯塚健太郎さん(11)は小学生合唱団の一員としてステージに立ち、歌声に「天皇陛下に町に来てもらえたら」との願いを込めた。飯塚さんは「みんなでお祝いができてうれしい」と笑顔で話した。

 「御用邸のまちへの愛着を、みんなに持ってもらえる式典とコンサートになっていたらうれしい」。そう語ったのは、町合唱連盟会長の伊東宥子さん(72)。企画の中心を担い、準備に奔走してきた伊東さんは「天皇陛下、上皇さま、私たちが穏やかな日々を過ごしていけたら」と新たな時代に思いをはせた。

 会場には、上皇ご夫妻と交流を続けてきた町内在住の詩人堀口すみれ子さん(74)も姿を見せた。コンサートでは、堀口さんがこの日のために作詞した「葉山 祝祭の町」を、町合唱連盟合唱団が初めて歌った。「町を挙げてのコンサートに参加でき、うれしいです」と堀口さん。天皇陛下の即位に「今日をお迎えになられたことが、とても喜ばしいです」とほほ笑んだ。

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