被爆者らの声に耳傾けて サーローさん・医師柴田さん、カナダから参列

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即位礼正殿の儀に参列後、記念品の写真集を手にする柴田さん(左)とサーローさん

 皇居・宮殿で即位礼正殿の儀が執り行われた22日、カナダの日系人を代表して被爆者サーロー節子さん(87)=トロント=と、医師でマギル大名誉教授の柴田ヘンリーさん(89)=オタワ=が参列した。ともに戦後の復興期を広島市で暮らし、当時から知り合い同士。約15年ぶりに東京で再会し令和の平和を願った。

 サーローさんは、国民の幸せと世界の平和を願う天皇陛下のお言葉が印象的で、「誠実なお人柄を感じた」という。

 結婚して住み続けるカナダを拠点に反核を訴えてきた。2年前には非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN=アイキャン)を代表しノーベル平和賞授賞式に登壇した。「原爆や戦争で心と体に傷を受け、いまなお苦しみを背負っている人たちがいる。当事者の声に耳を傾け、寄り添いながら平和な日本と世界を目指してほしい」と願った。

 バンクーバー生まれの柴田さんは「華やかな雰囲気だった。カナダから招かれて貴重な機会になった」と喜んだ。

 広島市西区出身の両親がカナダに移住。原爆投下から1年後の広島に、親戚を心配して家族で戻った。柴田さんは当時16歳だった。

 広島一中(現国泰寺高)から広島県立医科大(現広島大医学部)に進学。卒業して広島赤十字・原爆病院(中区)と放射線影響研究所(南区)で勤めた。サーローさんとともに広島流川教会(中区)で活動した。

 広島で11年暮らした後、米国での研修を経てカナダに戻った。腫瘍外科医としてモントリオールのマギル大で乳がん治療を研究。カナダと広島の交流促進にも尽力した。

 広島が焼け跡から立ち直っていくのを見た経験から、核兵器廃絶への思いも強い。「天皇陛下は世界の平和を常に願うと言われた。私も核も戦争もない世界を望みたい」と話した。(金崎由美、河野揚)