【台風19号】布団、畳、ソファ… ごみ〝山積み〟に苦慮

災害ごみの仮置き場となっている等々力緑地催し物広場。家具などのごみが山積みとなっている=川崎市中原区

 台風19号の浸水被害を受け、大量に排出された災害ごみの処分に川崎市が苦慮している。仮置き場となっている等々力緑地内の催し物広場(中原区)には各家庭から出されたごみが山積みとなっており、市は処理施設をフル稼働させて対応に奔走。今後、民間の処理施設の協力も検討していくとしている。

 市によると、台風19号の通過に伴い、多摩川沿いの中原区や高津区を中心に浸水被害が多発。被災直後には泥水に漬かった家具や家電製品が住宅地の路上に積み上げられている光景があちこちで見られた。

 市は14日から通常のごみ回収と平行し、約30台の収集車を災害ごみに特化して回収作業を実施。18日からの4日間は、市と協定を結ぶ川崎建設業協会も延べ87台のトラックを出して回収作業に従事した。

 隣接する横浜市も、19日からの3日間で約50台の収集車を川崎市に派遣。26日まで応援を続ける予定で、回収したごみは横浜市内の焼却施設などに運搬して処分するという。

 川崎市は、収集した大量のごみを一時的に置く「仮置き場」に、中原区の等々力緑地催し物広場(約4千平方メートル)と、建て替えで休止中の高津区の橘処理センター(約200平方メートル)の2カ所を指定。等々力緑地には金属類と家具類を、橘処理センターには家電ごみをそれぞれ集約している。

 周囲に「立ち入り禁止」のテープが貼られた等々力緑地の催し物広場には、布団やマットレス、畳、たんす、ソファなどが山積みにされている。23日も職員がトラックを誘導し、重機を使って運び込まれたごみを整理する作業を続けた。

 通常は事業系ごみとして有料扱いとなる事業所からの災害ごみについても、市は可能な限り無料で回収するなど柔軟に対応するとしている。市の担当者は「早期に催し物広場を通常に戻したいが、市の処理施設の能力が追いつかない。民間の処理施設で処分してもらえるよう協議を進める」と話している。

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