F1日本GPで入賞のルノーが失格。ドライバーエイドに関する規則違反と認定。トロロッソ・ホンダ含む5人に追加ポイント

 FIAは、2019年F1第17戦日本GP終了後、ルノーの2台に違反があったとのレーシングポイントによる訴えに関して調査した結果、ダニエル・リカルドとニコ・ヒュルケンベルグのマシンを失格にするとの決定を下した。リカルドは6位、ヒュルケンベルグは10位で入賞圏内でフィニッシュしていた。

 日本GP決勝後、レーシングポイントは、ルノーがブレーキバイアスシステム(プリセット・ラップディスタンス-ディペンデント・ブレーキバイアス・アジャストメント・システム)に関し、F1競技規則および技術規則、FIA国際スポーツ規則に違反している疑いがあるという訴えを起こした。FIAの声明によると、これはルノーの元従業員からもたらされた情報に基づいたものだということで、ルノーはその人物はルノーのブレーキコントロールシステムに関連する詳細な情報すべてを知る者ではないと主張している。

 レーシングポイントは、オンボードカメラの映像を通して、ステアリングホイールのディスプレイにおいてブレーキバランスがドライバーのインプットなしに変化していることが見て取れると述べていた。

 FIAは、リカルドとヒュルケンベルグ車のFIA標準エレクトロニックコントロールユニットおよびステアリングホイールを押収、詳細な調査を行うことを決定し、ふたりの日本GPでのリザルトを暫定扱いとした。

2019年F1第17戦日本GP ダニエル・リカルド(ルノー)

 調査を行い、両者の主張を聞いた結果、FIAスチュワードは、コントロールシステムはレーシングポイントが主張するような、プリセットでも距離依存性でもないとの結論を出した。また、ルノーは「一定の曖昧性を活用するための革新的なソリューション」を使用しているが、そのシステムはF1技術規則に反するものではないとも判断された。

 しかし、ルノーはドライバーエイドに関するF1競技規則(第27.1条)には違反したとみなされた。規則において、ドライバーはマシンを助けを受けず自分自身のみで走らせなければならないと定められている。ルノーのシステムは、ドライバーのスキルや反射神経の代わりとして機能するものではないものの、このシステムによってドライバーは1ラップのなかで多数の調整を行わずに済むと、スチュワードは認めた。

 ルノーにはこの決定に対して控訴する権利を与えられているが、23日時点では今後の対応について明らかにしていない。

 ルノー2台が失格になれば、元の決勝結果の7位以下のドライバーがポジションを繰り上げられる。入賞圏内では5人のドライバーの順位が変更になり、訴えを起こしたレーシングポイントのランス・ストロールは11位から9位に、セルジオ・ペレスは9位から8位に繰り上がる。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは8位から7位に上がり、ダニール・クビアトは12位から10位に昇格し、ポイントを得る。またペナルティで7位に降格されたフェラーリのシャルル・ルクレールは6位を取り戻すことになる。

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